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アニメ映画で声優に、草なぎ剛がこの1年を総括「あらためて3人で誓い合った」思いも語る

「何をベストと考えるかは本人次第」、原動力は仕事が好きという気持ち

――そういう“必死感”を変わらず保ち続けていることが、草なぎさんの魅力の一つだと思います。
草なぎ剛 春にやった舞台(『バリーターク』)も、汗だくだったし必死でした。毎日、この舞台が終わったら死ぬんじゃないかと思ってた(苦笑)。そのくらいハードだったんです。台詞も動きも多かったし、暴れたし、それで61回公演ですからね。今となっては、台詞は一言も覚えてないけど、でも何か掴むものがあったから、今度の舞台にも生きると思います。舞台って、お客さんがわざわざ足を運んでくれる場だから、ちょっと現実逃避できるというか…。

――そういえば『ムタフカズ』も、『バリーターク』同様にユートピア(理想郷)の逆の“ディストピア”が舞台。絶望世界のような、過酷なほうの非日常が描かれています。
草なぎ剛 いいですね、ディストピア。僕、そういう世界観が実は好きなんです。現実とは違う場所で、人間を演じるのが好きなのかもしれない。舞台って、劇場に入ってお芝居が始まると、ディストピアにもユートピアにもなれるじゃないですか。そこが面白いと思う。今僕らがやっている活動では、『ななにー』などはユートピアですよね。そう考えると、この1年は両方ができてバランスが良かったのかな。普段の僕がいて、どこかに行くたびに冒険している感じになった。新しい地図を持ってね。

――『バリーターク』の時は、1人で横浜まで電車通勤してたんですよね?
草なぎ剛 毎日、「日本大通り」か「元町・中華街」まで電車で通っていました。でも、(稲垣)吾郎さんの夏の舞台では、都心の稽古場なのに毎日送り迎えがあったらしい…その差は何なんだ!!(笑)。でも、僕の場合は街に溶け込める気がします(笑)。電車の切符を買うのも久しぶりで、時間がギリギリで焦ったりして。それも含めて新鮮で、楽しんでいました。

――新しい地図を広げて歩み出してちょうど1年。新しいことに挑戦する原動力になっているのは何ですか?
草なぎ剛 やっぱり、この仕事が好きなんだろうなと思います。仕事を通しての冒険が好きなんでしょうね。あとはもちろん、僕たちの活動を待っていてくれる人がいることも、ものすごく頑張るエネルギーになっています。誤解されると嫌なんだけど、物事は“長く続けることがベスト”というわけでもないと思うんです。何をベストと考えるかは、本人次第じゃないですか。『ムタフカズ』のアンジェリーノが、流れ星を見た時に「納得する自分になりたいよ」と呟くんですが、この台詞は何か印象深かった。僕自身、無意識のうちに強く共感していたのかもしれないですね。彼の言うとおり、誰もが納得できる自分でいたいんだと思う。そのために、もがいたり決断したりするんじゃないかな。それは、僕も同じです。

(写真:田中達晃/Pash 文:菊地陽子)

映画『ムタフカズ』

監督・絵コンテ:西見祥示郎(『鉄コン筋クリート』)
監督・脚本:ギヨーム“RUN”ルナール(フランスの“バンド・デシネ(コミック)”『MUTAFUKAZ』原作者)
声の出演:草なぎ剛 柄本時生 満島真之介
10月12日公開
(C)ANKAMA ANIMATIONS-2017
【公式サイト】(外部サイト)

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