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「子役は劣化する」を覆す芦田愛菜、驚異的な“地続き感”で飛躍
難関中学突破の報せで再認識
同年春、彼女が慶應中等部と女子学院という名門校の合格が報道。芦田の才色兼備が明らかになった他、『早稲田アカデミー』のCMでは「かわいくて頭良くてお金があって、完璧かよ」、「かわいいから美人になった」、一人二役に挑んだグリコ『パナップ』CMでも、「愛菜ちゃんというより愛菜さん」、「子役というより女優さん」など注目の高さを感じられるコメントが散見された。
さらに芦田のコメント力の高さにも注目が集まり、同年4月、映画『バーニング・オーシャン』の公開直前イベントでは、池上彰がシェール革命について解説。芦田は産出されるシェールガスが頁岩(けつがん)層に含まれていることを即答し、池上は「『はい』とうなずくだけじゃなく、“もっと知りたい光線”を出してくる。こういう良い生徒がいると、こちらもついノッちゃう」とその優等生ぶりも絶賛した。
「天才子役」が仇となったか、過去には批判の対象にも…
「あざとい」、「大人に媚びている」、「仕事ばかりでいつ勉強? 親もどうかと思う」――。2012年に放送された『上沼・高田のクギヅケ!』(読売テレビ・中京テレビ)では「テレビから消えて欲しい有名人」、「CMで見たくない有名人」で1位に。同年発売『週刊文春』でも「CMで見たくない有名人ランキング」で1位と“批判”の流れが強固に。
「転機はやはり、名門中学の合格」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「とくに“いつ勉強?”の批判については、学業にも勤しんでいた結果が目に見える形で出せたことは大きい。名門校入学でイメージが良くなった代表例では慶應義塾大学経済学部を卒業した嵐の櫻井翔さん。この学部は幼稚舎から通っていたとしても、高校で相当な成績でないと進むのは困難。芸能活動と並行しての相当の“努力”があったことがうかがい知れ、そして視聴者は“努力”“苦労”しているタレントを好む傾向がある。芦田さんもここにハマった」(衣輪氏)
子役出身者を苦しめる“パブリックイメージ” 芦田愛菜は 類まれな“地続き”感でアンチを一蹴
子役&当たり役の“パブリックイメージ”を払拭するには時間の流れや、それを凌駕する運命的な役柄に出会うなど、他力本願の面が強い。「子役は大成しない」ジンクスが生まれるほどで、芦田も同様に不安視されていた。だが蓋を開けてみると、芦田は珍しく回避のパターンをたどっている。
この理由を「穢れのなさ」と解説するのは前出の衣輪氏。「視聴者には、子役は早い時期から大人の中で生活しているため、ませて高飛車、子供らしさがないなどのイメージが浸透しています。でも芦田さんはそういった面を公で見せることがなかった。例えば、昨年放送された『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)でも嵐からのイジリに、“箸が転んでもおかしい”年代らしく、屈託なく大きな口を開けて笑う自然体な姿を見せた。実際にインタビューをしても、芸能界慣れしたコメントばかりではなく、懸命に等身大で答えようとする“子供特有のマジメさ”を感じられます。芸能界に毒されてない穢れのなさ。これが学業と結びつき、年相応の“子供っぽさ”が加味され、よい印象につながっているのでしょう」(衣輪氏)
安達祐実に代表されるように、子役が自身のイメージから脱するには“断崖絶壁”があり、苦労して乗り越える必要があった。だが芦田に関しては、バッシングはあったにしても、そこは“地続き”なのだ。
仕事と学業の両立による“ほどよい露出具合”が希少価値に!
そんな芦田が朝ドラで史上最年少となる「語り」を担当することが先日発表された。10月からスタートする安藤サクラ主演の『まんぷく』で“声”の出演をする。この報道を受けて「プロ意識ハンパない」、「膨大な読書量と語彙力の豊富さ!楽しみ」、「そのうち朝ドラの主演になりそう」などの期待の声が多数あがっている。驚異的な“地続き”感で安定した活躍を見せる稀有な女優・芦田愛菜。彼女が今後どのように成長、変化を見せてくれるか楽しみだ。
(文/中野ナガ)