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“パパタレ”はいよいよ戦国時代に突入、新たな人気・好感度獲得の好機

  • 早くもパパタレ発言のりゅうちぇる (C)ORICON NewS inc.

    早くもパパタレ発言のりゅうちぇる (C)ORICON NewS inc.

 妻のぺこが第1子を妊娠し、早くも“パパ”としての発言が注目を集めているりゅうちぇる。SNS上では「意外にしっかりと考えている」「男を上げた」など、おおむね好評価のようだ。芸能界において“ママタレ”はもはやブランド化しているが、一方で“パパタレ”も群雄割拠の戦国時代に突入。父親であることが好印象を生み、情報番組やCMで活躍が期待出来るだけに、絶好の“キャラ変”タイミングと言えるだろう。

小倉優子もママタレへの転身で“こりん星”を払拭! 一方パパタレは?

 2017年、ORICON NEWSが調査した『第2回 好きなママタレントランキング』で1位を獲得したのは小倉優子。2位に木下優樹菜、続いて北斗晶、木村佳乃、森高千里、乙葉、ギャル曽根、篠原涼子、渡辺満里奈、辻希美らの名前が挙がった。“ママタレ”とは、広い意味では単に子どもの“ママ”であるタレントだが、上位3人のように、育児や家庭について発言し、“母”の姿を前面に押し出すタレントを指すことが多い。彼女たちはバラエティー番組やCM、雑誌のほか、SNSでは自身の手料理などを披露。そのほかベビー服やインテリアなどをプロデュースするなど、タレント以外の活躍も見せている。

 とくに小倉優子は、ママタレへの見事な転身を見せた一人。もともとは“こりん星”出身の不思議系バラドルとしてブレイクするも、結婚後は、夫の不貞騒動からシングルマザーに。ママタレとして活動するうちに、「とても頑張って子育てされているのが伝わる」、「料理本の時短テクニックを真似したい」と、多くの称賛を得ることに成功した。
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 一方で、昨今は“パパタレ”という言葉も誕生した。浸透度ではママタレに及ばないものの、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)レギュラー出演中のつるの剛士、『あさイチ』(NHK総合)キャスターを務めた井ノ原快彦、『スッキリ』(日本テレビ系)MCの加藤浩次、『王様のブランチ』(TBS系)MCを約10年務めた谷原章介ほか、佐々木健介、藤本敏史、土田晃之、杉浦太陽ら、多くのパパであるタレントが活躍。なかでもパパの姿を前面に押し出しているパパタレでは、つるの剛士が筆頭格だろう。

パパタレ転身は芸能人にとって大きなチャンス、仕事や芸の幅を広げる

 「パパタレへの転身は、それまでの芸風を変える絶好の機会」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。前述のつるのは、『クイズ!ヘキサゴン』(フジテレビ系)で築いたオバカキャラを一新、子だくさんの“イクメン”キャラに。一方で、井ノ原は男児のパパになった2010年、NHK総合テレビ『あさイチ』の初代キャスターに就任(現在は博多華丸・大吉)。2015年には『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)の2代目司会(あなたの街の宣伝部長)となり、同年の『第66回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の白組司会者を務めた。

 「パパになることでこれまでの印象が変化。新たな仕事を獲得したり、芸の幅を広げたりするタレントは多い。イクメン・つるのさんはわかりやすい例ですが、井ノ原さんの場合は、そういった経験を公言しているわけではない。ですが司会の仕事が来たのは、パパになったことと無関係ではないでしょう。アイドルとして活躍していた井ノ原さんも、そうしてさらに世間的な信用や安心感を得られた。それがあの笑顔ともマッチし、今の活躍があるのです」

 「パパタレは主に主婦層など女性視聴者から好感度が高く、朝や昼の情報番組への出演、生活用品のCM起用などにも有効です。たとえその人が個性ある芸風を持っていたとしても、いつかは飽きられる日が来るかもしれない。そんななかパパタレへの転身は、自身に新たな魅力を付加するチャンスとなり得るのです」(衣輪氏)

一方で完全なキャラ変も命取り? パパと既存キャラとの“兼業”バランスが鍵

 パパであることにプラスして、それまでのキャラといかに両立していくかもポイント。谷原章介はインテリ俳優、藤本敏史や土田晃之は芸人、佐々木健介はプロレスラー(現在は引退)など、これまでの芸風や活動分野とパパタレを“兼業”するタレントに人気が集まっている。

 例えば加藤浩次は、『スッキリ』で父親ならではの視点を発揮しながらも、かつての“狂犬”を思わせる切れ味鋭いコメントもして見せる。『めちゃめちゃイケてるッ!』(フジテレビ系)では家族をネタに笑いを取ったほか、芸人仲間からはたびたび若かりし日の強烈エピソードが暴露され、パパとMC、そして狂犬とのギャップが面白みにつながっている。

パパタレ戦国時代に突入、求められる覚悟と“パパ”力

 すでに“群雄割拠”な現在は、まさにパパタレ戦国時代の“夜明け前”と言える。バラエティー界だけでも、千原ジュニア、チュートリアル福田充徳、スギちゃん、NON STYLE・石田明、古坂大魔王、上地雄輔、トレンディエンジェル・斎藤司、アンジャッシュ渡部健など、最近パパに加わったタレントは多数。古坂はすでに『とくダネ』(フジテレビ系)コメンテーターを務めているほか、妻の佐々木希が第1子妊娠中である渡部は、『王様のブランチ』MC、さらにロッテの企業広告CM『その歯と100年。キシリトール。』で夫婦初共演を果たしている。他にも、3児の父ユージは家事をアピール中、妻が第1子妊娠中のトレエン斎藤は早くもパパ需要を期待する発言。前述のりゅうちぇるは、中年層以降の多いパパタレ層に、若さと元ジェンダーレス男子という特異性で挑むことになる。

 「パパタレとして認められれば、芸能寿命を延ばすのも可能。情報番組MCともなれば、長期にわたり安定した人気を築くこともできるでしょう。ただ、主要な支持層である女性たちの目は厳しく、仕事のためだけのアピールは目の肥えた視聴者には見抜かれてしまう。それは、ママタレたちが発言やブログ投稿によって叩かれやすいことからもわかります。さらに、仮に不貞などのスキャンダルを起こしたときの風当たりは、より一層厳しくなる。家庭やパパであることを“売り”にするならば、それ相応の覚悟と“良きパパ”“良き家庭人”としての実態がなくてはなりません。それを踏まえて、パパになる前のキャラを上手く活用できれば、パパタレとして長く生き残っていくことができるでしょう」(衣輪氏)

 SNS上でも、既婚女性の家事負担が叫ばれ、家庭的な男性が強く望まれている昨今。「こうしたパパタレの台頭は、時代を写す鏡であるテレビならではの現象とも言えそう」と衣輪氏。魅力あるパパタレ枠だけに、名乗りを上げるタレントも続々。ママタレに続く、パパタレ戦国時代を制すのは誰か。今後の芸能界勢力図の変化が楽しみだ。

(文/西島享)

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