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ディーン・フジオカが語る、2017年は「新しいスタート」

 「自分が関わる作品ならば1人でも多くの人に見てもらいたい。見ている人の国籍や人種も関係無い。一人でも多くのオーディエンスに届いたらいい」。そんなポリシーを語るのは、15日スタートの日本テレビ系連続ドラマ『今からあなたを脅迫します』(毎週日曜 後10:30)で女優・武井咲(23)とW主演を務めるディーン・フジオカ(37)。日本語、英語、中国語を操るマルチリンガルで、日本だけではなくアジア各国で俳優・ミュージシャンとして活動してきたからこそ、その視線の先は“世界”を見据えている。そんな彼に、作品にかける想いや大きくジャンプアップした今年を一足先に振り返ってもらった。

世界見据えた作品作り「他の国でも人の記憶に残る作品になれば」

 「シーンが多いとか、プレッシャーとか特に感じないですね。まずはやるべきことをやらないといけない。主演という意味では、そこから『楽しくやりましょう』とコミュニケーションをとりやすい空気を作っていくことはより意識しました」と気負いすぎずに挑んだ初の民放連ドラ主演作。作品の顔として、視聴率など何かと矢面に立たされることも多くなるが、「この作品が他の国に広がっていくこと、国内はもちろん、他の国でも人の記憶に残る作品になれば」と世界を見据えた発言が印象的だった。
 2016年にNHK連続テレビ小説『あさが来た』で一躍大ブレイク。今年は俳優としての仕事以外にも、テレビ朝日系報道番組『サタデーステーション』でインフルエンサーを務めたり、ミュージシャンとして今回のドラマ主題歌「Let it snow!」を12月にリリースするなどボーダレスな活動を行ってきた。

 「今年はいろいろ挑戦する機会をいただいて、報道の仕事、音楽でもライブや制作活動を通して、それぞれの領域が交差する感じがありました。今まではひとつひとつが分離していたけど今年はいろいろな人のサポートもあって、自分が住んだり、活動してきた場所の流れと、今やっていること、そして今後の未来がつながっていくような基本の形ができてきた。これまでまいた種が芽生えて絡み合っていく感じですね」と充実感に満ちた表情をみせる。

 「日本で仕事をしていると『君、変わってるね』という感じに捉えられるかもしれません。ですが、同じものを食べて『美味しい』と共感できるのだとしたら、エンターテインメントや他の分野でも世界中の人がつながっていけばいい。例えば、今回のドラマがそのトリガーになればいいなと。自分が音楽でインドネシア・ジャカルタでアルバムを作ったり、中華圏で芸能活動をやったり、いずれアジアツアーをやりたいし…映像の仕事も国内外問わず一人でも多くの人に観てもらいたい。そういう意味では新しいスタートが切れた1年だったのではないかと思います」。

コメディー演技で試行錯誤「受身の態勢から、全力で努力する」に変化

 ここが新たなターニングポイントになるのか、今回演じるのは、人を脅迫することで事件を解決する“脅迫屋”を生業とする“グレー”なヒーロー・千川完二。「脅迫という非合法の商売なので暗くならないように。暗く重くなってしまうとエンターテイメント作品としてテンポ感が悪くなるので、軽快にポップに表情にもメリハリをつけて。真面目なところと不真面目なところの振れ幅を大きく心がけています」と独特なキャラクター像を作り上げている最中だ。

 武井演じる究極にお人好しなお嬢様大学生・金坂澪との“水と油”コンビの化学反応で事件が思わぬ方向に転がっていく。千川の大きな特徴は“ダジャレ”を連発するところ。クールでカッコイイ表情の“脅迫”シーンに対し、そのダジャレや天然な澪とのどこか気の抜けたやりとりなどのコメディーシーンが全体のアクセントにもなってくる。

 久しぶりだというコメディーでは監督と試行錯誤を重ね、間のとり方やテンポなどを模索しているそう。「喜劇ではタイミングや演技の仕方、空気感は難しいですね。現場でカメラマンさんが笑いを堪えられなくなるくらい面白くできればいいなと思いますが、千川はスベる役なのでそこが面白いと思っていただければ(笑)」とはにかむ。

 自身も映画監督を務め、演技についてもこだわりが強いイメージがあったが、監督に自分から意見を出すことは「基本的にはしない」と言う。「監督から『どう思う?』『何かない?』と振られたときにのみ答えています。自分が監督をやってから、俳優とは監督やプロデューサーが作りたいものをお手伝いする立場の人だから、とにかく受身の態勢から、全力で努力する…という考え方に変化しました」というのがディーン流の仕事論。そんな柔軟性と、世界に通じる作品にしたいという熱い思いを内に秘めながら、残る3ヶ月を全力で駆け抜ける。
<撮り下ろし写真:鈴木かずなり・(C)日本テレビ>

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