ORICON NEWS
りゅうちぇる、“おバカ枠”から脱皮? “若者の代弁者”としての需要高まる
過剰な“キャラ設定”から徐々に“普通メイク”披露もキャラ変への布石?
さまざまな番組にぺこと出演し、新陳代謝の激しい“おバカ枠”で“セット売り”によりその力を発揮。当初は、ぺこの“オマケ”であったが、機転のきいた会話と強烈なキャラが受け、“ピン”でも番組出演することが多くなった。そのキャラ設定は、日本の南に存在するという「ちぇるちぇるランド」出身と称しているが、「ちぇるちぇるランドは永遠にあるので、ず〜っと続けるに決まってるっさ〜」(2016年3月3日/ORICON NEWSより)と永遠に続けると宣言している。
ただ、最近は各所でストレートヘア&普通のメイクで登場する機会も多くなり、「カッコイイじゃん」「普通にしたら普通にイケメン」と話題に。また、冠番組『りゅうちぇる×ちゃんねる』(AbemaTV/2月17日)でも、「なんか最近ヘアバンド、ダサかったなって気付いた…」と、まさかのトレードマークの“ヘアバンド放棄宣言”。とは言え、先に“キャラ設定ありき”の芸能人はいくらでもいるし、後で方向転換するのも常である。りゅうちぇるのキャラ設定にしても、今さら途中で外れたとしても、いちいち“ブレた”と突っ込む視聴者も少ないだろう。
さらに、最近のりゅうちぇるの発言は“おバカ枠”を超えた理路整然とした見解を述べるシーンが増えてきた。『好きか嫌いか言う時間』(TBS系)に出演した際、「日本的な職業は日本人がすべきか否か?」との議論で「反対」を主張。賛否両論ある中、「普通にある中華料理店とかイタリア料理店も全然日本人がやってるし、普通においしい。だから、そういう考えは古いと思う」と自身の見解を“決然”と述べた。また、カジノの誘致先として「沖縄推し」する堀江貴文氏に、「(カジノを)作るとしたら日本の無人島。本当に何かが起こっても、何も迷惑をかけない。何もなかったところにポンと建てて、みんなが週末お休みをもらって、船とかで行けるような距離感がいいな」と発言し、沖縄育ちならではの“正論”を主張しているのである。
今どきの若者らしい“しがみつきのなさ”がリアルな共感に
かつて『クイズ! ヘキサゴンII』(フジテレビ系)で“おバカ”タレントとして活躍したつるの剛士は、2男3女の優しい父であり子育てに積極的なイクメンとして、ごく自然な流れで“おバカ枠”を卒業した。最近のりゅうちぇるを見ていると、チャーミングな“おバカ要素”も残しつつ、若者の代弁者として“リアルな声”を発信するという、奇妙な二面性を駆使して更なる支持を広げている。決して一過性のブームでは終わらない“天然な戦略”で、我々の想像を超えるポジションを形成するかもしれない。