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【Hey! Say! JUMPライブレポ】デビュー10周年、「見たことない景色を見せたい」

 グループ初の年末年始単独コンサートを東京ドームで行ったHey! Say! JUMP。1日、同所で史上初の1日2回公演という新たな記録を生み出した彼らは、巨大な会場を舞踏会にして5万5千人の観客とダンス。デビュー10周年の特別な年に、華やかな幕開けと新たな約束をもたらした。

ファーストコンサートを行った東京ドームで、存在感増す9人

 今回のステージは、昨年夏から秋にかけて開催された5thアルバム『DEAR.』をコンセプトにしたツアーのスペシャルバージョン。メインステージ頭上に設置されたシャンデリアは5台に増えただけでなく、特大のトロッコ、噴水、ムービングステージも加わって豪華絢爛。これらのセットからも、初の年末年始単独東京ドーム公演にかける彼らの想いが伝わってきた。そんな特別感はセットリストにも垣間見え、前ツアーからの変更だけにとどまらずボリュームアップ。もちろん、メンバーの士気の高さも負けてはいない。

 序盤から「Happy New Year!」(岡本圭人)、『PON!』(日本テレビ系)で公約したセリフ「飛ばすからしっかりつかまってて!」(中島裕翔)など、誰からともなく気合を入れる声が上がり、カウントダウンコンサートを挟んだ元日夜の最終公演でもウルトラパワーが炸裂した。2007年12月のデビュー&ファーストコンサート以降、幾度となくこの地に立ってはいたけれど、この日の9人は絶対エースの山田涼介を筆頭に、個の輝きが一層強く放たれていた。映画やドラマ、バラエティ番組といったソロで活躍する場が増えると、ここまで存在感も強くなるものなのか。それぞれにつけた力をステージで解き放ち、山田涼介のレッド、知念侑李のピンク、中島裕翔のライトブルー、岡本圭人のグリーン、有岡大貴のオレンジ、伊野尾慧のブルー、高木雄也のパープル、八乙女光のイエロー、薮宏太のイエローグリーンは、より濃く空間を彩っていた。それだけひとりひとりのパフォーマンスに見入ってしまうのだから、このドームという広い会場で彼らを追うには、誰もが目がふたつでは足りないと思ったに違いない。そして、その9つの力はグループが大切にしているコンサートでひとつになる。

最大の武器・ダンスの幅を広げ、パフォーマンスに遊び心も

 テレビサイズでも「ダンスがヤバイ!」とSNSで話題になるほど、今やJUMPの最たる武器となっているダンス。「RUN de Boo!」ではセンターステージから左右に広がる花道までが一緒にリフトアップし、ロングスケールのパフォーマンスを見せたほか、前半では「Beat Line」「ウィークエンダー」「Fantastic Time」を、後半では「SUPERMAN」「Give Me Love」「Ride With Me -2016-」と、多勢グループならではのバリエーションに富んだダンスで高揚感を煽った。特に、切ないメロディで聴かせる「Give Me Love」にフルパートで振り付けがあったのは注目すべきところで、楽しさやカッコ良さを追求するだけに留まらず、苦悩を乗り越え希望を見出す主人公の感情を表現。ダンスの幅をさらに一歩広げたように思えた。また、アリーナツアーではバンド演奏が「ChikuTaku」の1曲のみだったが、今回は「Your Seed」をプラス。本当にアイドルか?と思ってしまうほどのプレイで心躍らせた。八乙女のスラップ奏法で生まれるグルーヴ感は、バンドの要といえるだろう。

 そして、何より9人が頼もしく思えたのが、気負っていなかったことだ。2015年の大みそかに京セラドームでカウントダウン公演を行ったときは、それぞれに緊張を口にしていた彼らだが、この日はそれを楽しさへと転換させるに至ったのか。知念や伊野尾が歌詞をアレンジしたり、「真剣SUNSHINE」ではビジョンに映った有岡が目をマイクで隠されたり、「School Girl」では山田を真ん中にした“かごめかごめ”を投入してくるなど、随所に遊びを盛り込んだ。MCにいたっては、次々とメンバーがトークをかぶせていくために、カメラが何度か追えずにいたこともあるほど。グループの自由度満載なチーム感は、今後も失ってほしくないものだ。

デビュー10周年、「特別な年」への想いとは?

 アンコールは、「Give Me Love」のカップリングに収録された“あけおめソング”「Baby I Love You」からスタート。観客のJUMPコールに応えて再びステージに現れたときには、岡本が舞踏会に映えるメイクをした“ケイティ”に扮し、最後まで特別感を演出。

 「僕らはひとりひとり幸せにしなくちゃいけない宿命を持っている。もっともっと高みを目指していきます」(薮)。「僕たちは今年10歳になります。特別な年だけど、通過点。ここから見える景色は本当にキレイなんですよ。僕たちもみんなに見たことのない景色を見せてあげたい」(山田)。さらなる成長を約束するふたりの言葉でスペシャルな舞踏会は幕を閉じた。デビューコンサートを開催した地で新たな景色を目に焼き付けた9人は、2017年も大きくハイジャンプするだろう。

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