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【ジャニーズカウントダウン】音楽で繋がれたジャニーズファミリー、SMAPへの愛と感謝も
一度きりのレア感、グループのエネルギー渦巻く全力感
2つ目に挙げられるのが、各グループのギラギラした“全力感”だ。テレビのオンエアは午後11時45分からだが、コンサート自体は例年11時ジャストに始まり、最初の40分弱は、若手チームがそれぞれの持ち歌を披露する。その際、ジャニーズファミリーが一堂に会する“フェス”であっても、それぞれのグループは“自分たちのファンでない人も魅了しよう”というギラギラしたエネルギーを漲らせるのだ。
ファミリーが集まる希少価値、“紅白”後の嵐4人登場サプライズも
の「TIME ZONE」を父親と顔を寄せ合って熱唱したり。先輩たちの懐かしい楽曲を後輩が歌い継ぐことで過去から現在をつなげたり、違うグループの曲を自分たちなりに表現したり。
音楽で結ばれた仲間たちには必ず、楽曲とそれを歌った個人やグループに対するリスペクトがあって、そこにさらに、自分たちらしい爪あとを残そうとする。誰もが、ジャニーズが好きで、音楽が好きで、仲間が好きで。切磋琢磨し、刺激し合う仲でありつつ、みんなで1つのファミリーとしてもまとまれるアーティストたちが、1年にたった一度しか集まらないところに、ジャニーズカウントダウンの希少価値がある。
叫ばれた「Thank you! SMAP!!」に、ステージも観客も沸く
コンサートそれ自体は、いつものように夢や希望や元気に溢れたものだった。SMAPについて敢えて触れる必要はなかったかもしれない。でも、結成から28年もの月日の中で、それぞれに関わり合いがあったグループについて全く触れずにコンサートが終わりそうなことには、正直違和感があった。“ジャニーズファミリーの一員なのに、今頃SMAPは……”とつい考えてしまう重苦しさのようなものがどこかにあった。でも、岡本がSMAPの名前を出した時、会場がどっと沸いて、何より、ステージにいたアーティストの顔が一斉に明るくなった。彼の“Thank you”という言葉に込められた感情もまた、“お疲れ様”とか、“じゃあね”といった挨拶的なものではなく、“愛してるぜ!”とでもいうような、心からの叫びに聞こえた。
V6の井ノ原快彦は岡本の真似のように「Thank you! SMAP!!」と叫び、タッキー&翼の今井翼も「ありがとう、SMAP」と言った。TOKIO・長瀬智也の「最後に、SMAPに拍手を贈ろう」という言葉が響き渡ると、東京ドームがSMAPへの愛とリスペクトで包まれた。特に、Kis-My-Ft2のメンバーの、感極まった表情が印象的だった。思うことはそれぞれだろう。でも、その拍手もまた“お疲れ様”という意味ではなかったように思う。SMAPという偉大すぎるグループの区切りをひとまず受け止め、「ありがとう、これからもよろしく」だったり「ずっとずっと大好きです」だったり。出会えたことへの感謝だったり。SMAP不在のカウントダウンコンサートで、その存在の大きさとそれぞれの心の結びつきとを強く感じさせたという意味で、今回の公演はジャニーズという一大ファミリーがそれぞれのアーティストへの“愛と尊敬”と“音楽”で結ばれていることを実感させてくれた。ジャニーズのアーティストにとっても、SMAPは永遠かつスペシャルな存在で。ポストの位置を狙うのではなく、自分たちのやり方で、たくさんの人を笑顔にしていこう。あの拍手は、そんな決意表明でもあったのかもしれない。