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橋本奈々未、ももち……相次ぐ女性アイドルの“芸能界引退”の背景

  • ももちこと嗣永桃子

    ももちこと嗣永桃子

 アイドルグループ・乃木坂46の中心メンバー、橋本奈々未が、来年2月をめどにグループから卒業するだけでなく、芸能界から引退することを発表。また、カントリー・ガールズのメンバーであり、かつてBerryz工房としても活動していた“ももち”こと嗣永桃子も、来年6月をもってハロー!プロジェクトを卒業、夢だったという“幼児教育”の道へ進むことを発表し、話題を集めている。ふたりとも若くして人気を獲得し、今後の活躍が期待されていただけに、「もったいない」という声がある反面、「潔くてカッコいい」といった応援の声も多いようだ。多くの女性アイドルグループが活躍する現在、人気メンバーの芸能界から完全引退して一般社会に戻るという選択は、何をもたらすのだろうか?

グループ時代の栄光があるからこそ、ソロでは世間から厳しい評価

 AKB48のブレイク以降、多くの女性アイドルグループがデビューし活躍しているが、その多くがアイドル活動を“将来、女優やタレントとして活躍していくための足がかり”と捉えているし、実際にグループで人気を獲得したメンバーは“卒業”後、芸能事務所に所属してタレントとしてバラエティ番組に出演したり、女優として舞台や映画、ドラマなどで活躍したり、歌手デビューしたりと、その多くが芸能界に身を置き活動している。こうした状況下で、橋本やももち、また、モーニング娘。‘16を卒業した“ズッキ”こと鈴木香音など、卒業後も芸能界に残れば活躍の場が与えられそうな人物が相次いでキッパリ“引退”を決断したことに、驚いた人も多かったのではないだろうか。

 橋本は引退の理由について、10月30日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、「もともと(乃木坂に)入ったのがお金だった。めっちゃ貧乏で、水道止まる、ガス止まる、みたいな。私はひとり目だったから学校行かせてもらったけど、弟は(私が)何とかしなくちゃって思って」と告白。その弟が無事に大学に入学し、学費も免除され、母から「無理しないで好きなことをしてください」と言われたことがきっかけだったと語った。かたやももちは、“ぶりっ子キャラ”でバラエティなどでも頭角を現す一方で、大学在学中に教員実習にも行き、卒業と同時に小学校と幼稚園の教員免許を取得するなど、素顔はプロ根性を持ったしっかり者。彼女の卒業後の“進路”についてもある程度予想はできなくはなかったのだが……。

「時代が変わってきたのではないでしょうか。グループ卒業後は、ソロとしてタレントや女優の道に進む、結婚してもママタレントとして芸能活動を続ける、というのがここ最近では定番ルートになっていましたが、グループ時代の“栄光”があるだけに、卒業後も世間からは好奇の目で見られることが多くなります。実際、AKB48を卒業した宮澤佐江さんは、『バイキング』(フジテレビ系)で、“グループ在籍時より収入が減った”ことを告白して話題になりました。やはり人気メンバーであればあるほど、成功が求められますし、卒業の前と後とで、比較されてしまうんですね。でも、橋本さんは在籍時から、あまりアイドルであることに執着していないとファンの間では語られていましたし、ももちさんも芸能界で生きていくという選択肢をあっさりと捨ててしまったんですから、今までの流れとはちょっと違う感じがします」(エンタメ誌編集者)

一人の女性としてどう生きるか アイドルの決断

 とは言え、過去をさかのぼれば、若くして芸能界からきれいさっぱり引退するという例はほ かにもある。例えば山口百恵は、人気絶頂期の1980年、21歳で結婚を機に芸能界を完全に引退。その後20年以上、現在に至るまで公の場には一切姿を現していない。芸能界にダラダラと未練を残してしがみつくのではなく、人気があるうちにキッパリと決断して去っていく。だからこそ“伝説”にもなり得るのだし、ファンの記憶の中にはいつまでも瑞々しい魅力のまま残っていくのだ。

「百恵さんは芸能界の頂点に達した人物なので、もうやり尽したという意味では世間も納得しています。まだまだ“燃焼”しきれてないアイドルが引退することは、ファンにとっては寂しいですが、女性としての人生はまだまだ続くわけで、自分が本当にやりたいことをやる、あるいは探すために一般人に戻るという選択は今の時代“アリ”だと思います。これは何も芸能界に限った話ではありません。もはや同じひとつの職業、会社などにしがみつく時代ではないですから」(前出・編集者)

 かつては、若くして芸能界に入った人間は世間知らずで、芸能界以外の社会では生きていけない、なんてこともよく言われていたが、彼女たちは冷静に自分を見つめたうえで、自分自身の判断で現実的な人生選択をしたとも言えそうだ。基本的にアイドルはその時代の“旬”である。一瞬で消費されていき、後ろには次の商品であるアイドルが延々と控えている。言ってみれば、自分の代わりはいくらでもいる…という厳しい状況の中で生きてきたわけだ。その厳しさを知っているからこそ、“引退”の決断をしたアイドルたちの新たな世界での活躍を応援していきたい。

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