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東京お笑いシーンの支柱だった古坂大魔王、ピコ太郎のPPAPブレイクは不本意?

 千葉県出身のシンガーソングライター・ピコ太郎が歌う「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が、世界134ヶ国・地域に配信し、19日付全米チャートで77位にランクイン。松田聖子以来、26年ぶり7人目のトップ100入りとなった。このピコ太郎の正体がお笑い芸人の古坂大魔王であることは“公然の秘密”であり、周知の事実。古坂はこの「PPAP」で自分史上最大のブレイクを果たしたわけだが、“一発屋”で済ませてしまうには、そのキャリアや才能を鑑みても、あまりに惜しいという声が各方面から挙がっている。そもそもこのブレイク自体、古坂が真に望んでいたものだったのだろうか?

太田光、くりぃむ、土田晃之ら“関東芸人”がこぞって認める芸人としての才能

  • シンガーソングライター・ピコ太郎で話題の古坂大魔王

    シンガーソングライター・ピコ太郎で話題の古坂大魔王

 「PPAP」は古坂大魔王扮するピコ太郎が、タイトルにあるような歌詞を繰り返す1分ほどの動画だが、背後に流れるユル〜いピコピコ音が確かにクセになるようだ。そもそもは9月27日、人気歌手ジャスティン・ビーバーがツイッターで「お気に入りの映像」として紹介したことから、あっという間に世界中に“拡散”。YouTube再生回数が5445万回を超え(10月19日現在)、世界中で大流行している。パンチパーマのズラにヒョウ柄の服、サングラスに口髭を生やした風貌は、確かに千葉の郊外ではまだまだよく見かける人種(!?)であり、若い層にはインパクトがあるかもしれないが、中高年が「PPAP」を見ても“どこが面白いんだ?”となるのではないのか?

 「ただ古坂さんは、底抜けAIR‐LINEとして90年代半ばから『タモリのボキャブラ天国』(フジテレビ系)で活躍してましたから、今の中高年でも覚えている人は多いでしょう。実際、“ボキャブラ世代”の芸人仲間からはその才能が高く評価されていて、くりぃむしちゅーの上田(晋也)さんは、“日本一面白い男”として古坂さんを(明石家)さんまさんに紹介してますし、土田晃之さんも“天才的に面白い!”と言ってます。爆笑問題の太田(光)さんも今回のブレイクに関して、“世界が相手だからすごい!”“これまでも散々、くりぃむもオレらも古坂は面白いといろんなところで言って売り込んできた”などと発言しています。」(エンタメ誌編集者)

芸人仲間からは「“楽屋真打”の代表選手みたいな人」

 また、カンニング竹山にいたっては、『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で「みなさん誤解して、一発屋だと思っている人がいるかもしれないけど、古坂大魔王のスキルはぜんぜん違います。これがすべてじゃない。音楽も作っている人。芸人としてすごい人。何でもできる、化け物くらいに面白い人」と大絶賛。確かに古坂は、2003年にお笑い活動を休止すると、テクノユニット・ノーボトム!(現NBR=NEW BUSHIDOU RAVERS)の活動に専念。Mihimaru GT、SCANDAL、AAAらとのコラボレーションや楽曲制作、鈴木亜美の楽曲をリミックスするなど、音楽的才能も豊かである。2008年にお笑い活動を再開すると、同年の『タモリのボキャブラ天国 大復活祭スペシャル』では土田晃之と「底ぬけU‐turn」を結成。

 こうしてみると、ボキャブラ世代も含めてそうそうたる芸人たちに絶賛され、事実マルチな才能を発揮してきた古坂ではあるが、今回のブレイクまではあまり世間的には認知さてこなかった感がある。

 「爆笑問題の田中(裕二)さんの言葉によれば、古坂さんは“楽屋真打の代表選手みたいな人”であり、“楽屋では誰よりもみんなを笑わせるんだけど、本番ではそれをいっさい発揮できない”タイプのようです。逆に言えば、今回のYouTubeに動画をアップしたりする活動は古坂さんに合ってたのかもしれませんし、SNS内でこそ、古坂さんの才能がワールドワイドに発揮される可能性があるのかもしれません」(前出の編集者)

 実際、今回の「PPAP」を「ラッスンゴレライ」的なリズムネタのひとつと考えれば、“一発屋”と捉えられてしまうのも無理はないし、今後もその“称号”がついてまわることだってあり得る。ひょっとしたら本人も、古坂大魔王ではなくピコ太郎としての予想以上のブレイクは不本意なことだったのかもしれない。とは言え、自らの芸がSNSで全世界に発信されたことは時流に乗った最先端でもあるし、今後のお笑いの可能性に指針を与える“偉業”でもある。今回のブレイクをきっかけに、古坂大魔王本来の実力を大いに発揮していってもらいたいものだ。

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