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10月期の平均年齢は42歳、ドラマの主演役者が高齢化〜5年前より10歳増
20代の主演は4作のみ、経験豊富な豪華俳優が勢ぞろい
一方20代で言えば、フジの新月9ドラマ『カインとアベル』の山田涼介(23歳)や『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の新垣結衣(28歳)、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の石原さとみ(29歳)などがいるが、全13作品中4作品のみ。逆に“ガッキーも石原さとみも三十路目前か!?”という驚きもあるが、10月期ドラマ主演俳優の平均年齢が42.5歳(フジテレビ系『メディカルチーム レディ・ダヴィンチの診断』の主演・吉田羊は年齢非公表なので除く)であることは間違いない。
5年前より10歳高齢化 若者向け恋愛ドラマ、学園ドラマも年々減少
「夏ドラマは夏休みの影響で若者たちの恋愛ものや学園ものが中心となるので、若手俳優が起用されるケースが多いです。逆に秋から冬にかけての10月期ドラマは、季節柄もあって落ち着いた内容になる場合が多く、主演俳優さんたちの平均年齢が高くなるのは当然と言えば当然なんです。でも、今回の10月期は、医療ドラマや刑事もの、サスペンスが多いように思いますし、制作側もより中高年層を意識しているのかもしれません」(エンタメ誌編集者)
では5年前、『家政婦のミタ』が大ヒットした2011年10月期のドラマと比較するとどうだろうか。『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系)の香里奈が27歳(年齢は当時、以下同)、『謎解きはディナーのあとで』(同)の櫻井翔(29歳)、『僕とスターの99日』(同)の西島秀俊(40歳)、『ランナウェイ〜愛する君のために』(TBS 系)の市原隼人(24歳)、『専業主婦探偵〜私はシャドウ』(同)の深田恭子(28歳)、『南極大陸』(同)の木村拓哉(38歳)、『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)の亀梨和也(25歳)等々、全11作品中20代が約半数を占めている。さらに、今期ドラマで主演を勤める『DOCTORS〜最強の名医』(テレビ朝日系)の沢村一樹(44歳)、『HUNTER 〜その女たち、賞金稼ぎ〜』(フジテレビ系)の米倉涼子(36歳)が、5年前も変わらず主演を張っていた。
5年前と変わらぬ主演役者たち 反面では世代交代も急務か?
近年のドラマのヒット作と言えば『半沢直樹』(TBS系)や『下町ロケット』(同)など、30代、40代以上のサラリーマンが胸を熱くする熱血ドラマであった。いわば中高年層が自分の仕事や家をかえりみて、身につまされるような内容のドラマということである。10月期ははからずも各局、中高年が感情移入しやすい同世代が主人公のドラマがそろっている。中高年は人生経験も多く、それだけ主人公にも感情移入しやすいし、同世代が主演となればなおさらだ。制作側も視聴率の安定を求め、分厚い中高年のテレビ視聴者層に期待をかけているのであろう。
ドラマ制作側の狙いが視聴率にどう反映されていくのか期待されるが、一方で“ドラマの顔”である主演役者が5年前と変わらないというのは少し寂しさを覚える。若手俳優が主演を演じるドラマは、ときにその時代の象徴する存在にもなり、ドラマ自体の見所でもある。ドラマキャストの世代交代を図り、新陳代謝を行うことで新しい風を呼び込むことも必要不可欠な要素であることは確かだ。