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(更新: ORICON NEWS

“女版・鈴木亮平”の安藤サクラ、過剰な役アプローチと影ある“非モテ系”でブレイクの兆し

 映画『百円の恋』(2014年)で“女版・鈴木亮平”とでも言うべき、短期間での体重増減を試み役者魂を見せつけ、『第39回日本アカデミー賞』最優秀主演女優賞を受賞した女優・安藤サクラの存在感が日ごとに増している。芸能一家に育ち、夫は俳優の柄本佑という“プロフィール”も注目される安藤だが、ついに4月スタートのドラマ、宮藤官九郎脚本『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)でヒロイン役を務めるという。俳優仲間をして「間違いなく日本のNo.1女優」とまで言わしめる女優・安藤サクラの実力を改めて探ってみたい。

過剰なまでの役者魂に、濡れ場も堂々とこなし“ポスト寺島しのぶ”の声も

  • “非モテ系”で重宝される安藤サクラ(C)ORICON NewS inc.

    “非モテ系”で重宝される安藤サクラ(C)ORICON NewS inc.

 安藤サクラは、父に映画監督の奥田瑛二、母にフードスタイリストの安藤和津、姉は映画監督の安藤桃子という芸能一家に育ち、夫は俳優の柄本明と角替和枝夫婦の長男で俳優の柄本佑。自身の環境について「ずっと二世というのをコンプレックスだと思っていた」と明かしている。『第39回日本アカデミー賞』の最優秀主演女優賞でにわかに注目を浴びた安藤だが、以前から女優としての評価は非常に高かった。2009年公開の映画『愛のむきだし』では、クリスチャン育ちの盗撮マニア(西島隆弘)やレズビアン(満島ひかり)を演じる濃すぎる個性派俳優陣の中でも、安藤はひときわ濃い“新興宗教の教祖の右腕”役を演じ、『第31回ヨコハマ映画祭』で助演女優賞を受賞するなど、実力派女優の評価を定着させていく。その後も映画を中心に活躍しながら、テレビドラマにも数多く出演。NHK連続テレビ小説『おひさま』(2011年)では、義弟(夫・柄本佑の実弟)の柄本時生と夫婦役を演じたりもした。

 映画『百円の恋』の安藤は、32歳にして引きこもり生活からプロボクサーを目指すという役を演じ、「3日間は太っている状態でいって、後の10日間くらいで落としていった」(本人談)という肉体改造を含め、3ヶ月にわたりボクシングを特訓するなど、“女版・鈴木亮平”“女版ロバート・デ・ニーロ”とでも言うべき役者魂を見せつけた。また本作では、処女喪失場面もフルヌードで演じていたが(R15指定)、『俺たちに明日はないッス』(2008年)や『白河夜船』(2015年)でもヌードを披露しており、体を張った“女優根性”はデビュー当初からあったとも言える。こうした実績からも、『百円の恋』で共演した人気上昇中の個性派俳優・新井浩文をして「日本No.1の女優」とまで言わしめたのであろう。

 「安藤さんの場合、奥田瑛二・安藤和津という美男美女の両親の子でありながら、決して美人女優というわけではない。悪く言えば、“影のあるブス”役が多く、コンプレックスを抱えてる役を演じることがほとんど。そんな難しい役どころも演じさせたら、確かに彼女は“日本No.1”かもしれない。濡れ場も堂々とこなすし、言ってみれば、同じ芸能一家(梨園)に育ち、遅咲きながら数々の濡れ場も演じてきた実力派女優・寺島しのぶさんあたりに近いと言えるでしょう」(映画ライター)

“非モテ系”女優枠が重宝、連ドラヒロインで“一般視聴者層”にもアプローチ

 そんな安藤だが、4月17日からスタートする宮藤官九郎が脚本を手掛けるドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)にヒロイン役として出演する。しかも共演する俳優陣が、岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥といったイケメンばかり。ひとクセもふたクセもあるクドカンの脚本だけに、安藤がこのイケメン陣とどう絡んでいくのかが注目される。

 「最近、『ファブリーズ』のCMでもやたら目にする平岩(紙)さん(劇団『大人計画』所属)のように、美人でもかわいいタイプでもないけど、どこか魅力のある“非モテ系”女優が重宝される傾向にあります。おかずクラブのオカリナも“実写版バカボン”を演じて高評価を得ましたし、現実感のない作りものの美人よりは、隣にいそうな現実的な“近所のお姉さん”のほうが味があるということなのかもしれません」(前出の映画ライター)

 そんな“非モテ系”女優のなかでもその高い演技力と存在感で異彩を放つ安藤サクラ。果たして、映画ファン層以外、“一般視聴者層”にどこまで食い込めるのか。安藤は、映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』で松田翔太、高良健吾といったイケメンと共演しながらも、柄本佑と交際し、最終的に夫に選んでいる。その柄本は『あさが来た』(NHK総合)の“白蛇はん”役でブレイクし、一般的な認知を得た。妻の安藤サクラも、「久しぶりのドラマ撮影で少々緊張気味です。しかし撮影はもの凄く楽しく、宮藤さんのせりふは聞くのも言うのもわくわくします」と気概を見せているように、父親ゆずりの演技に対するこだわり、粘り強さを発揮しながら、柄本同様、“演技派女優”としてお茶の間に親しまれる日も近いだろう。

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