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W松井は女優として大成するのか? AKBの看板をいかに消化するかが鍵
高い評価後の主演作の玲奈、ドラマ本格進出の珠理奈、ともに女優として勝負作
「松井玲奈さんは、そもそもファンの間でも演技力が高いことは知られていました。『マジすか学園』(テレビ東京系)でも、AKB48メンバーの中では異彩を放ってましたし、本人も当初から女優を目指していたと聞いてます。『フラジャイル』にしても、ゲストながらロングヘアをバッサリ切るなど、女優魂もなかなかのもの。製薬会社の小悪魔系女子を見事に演じ切って、正直言って、歌ってた時よりカワイイと思うこともありますね」(ドラマ制作会社スタッフ)
どちらかと言えば、センターを張っていたアイドルとしては地味な印象があった松井玲奈だが、その純朴さを逆手に取った“ギャップ”が高い評価に繋がっているのかもしれない。
一方、“W松井”の松井珠理奈の演技力はというと、過去に3作ほど映画出演しているが、あくまでも脇役。AKB48関連のドラマや地方局以外では、『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)のスペシャル版に、秘書役として出演。当時は16歳で、21歳の秘書役だったため、実年齢とのズレもあった。ただ今回のドラマでは、中谷美紀の女子高生時代ということもあり、実年齢とも近く、メイン役を演じることもあり、注目を浴びることは間違いないだろうし、松井珠理奈にとっても勝負どころになるに違いない。
アイドルでの活躍は、最大の“武器”と同時に、女優として最重量の“足枷”にも
一方、大島は“AKBの太陽”と呼ばれた当時のまま、王道路線を歩んでいるように見える。高視聴率を誇るNHK連続テレビ小説『あさが来た』にも、“最終兵器”として登場することが決定。昨年の主演ドラマ『ヤメゴク』(TBS系)では、派手なアクションに挑戦して新境地を見せたが、これも女優としてはある種、王道である。
ただ前田も大島も、いまだ“元・AKB48”の出自はついて回るし、本人たちもAKB48のイメージを脱し切れていないようだ。昨年大晦日の『紅白歌合戦』でもふたりはサプライズ参戦し、現役AKBメンバーを圧倒するオーラを放ち、9日発売のAKB48の10周年記念シングル「君はメロディー」にも参加しているのも、ある意味で諸刃の剣と捉える向きもある。
「しいて言うなら、松井玲奈はメジャー作品にこだわらない前田敦子系。松井珠理奈は、“中谷美紀の高校生時代”というある程度のポジションも約束されてることから、いわば王道を進む大島優子系と言えるかもしれません。両者とも目指すところはアイドルから女優への脱皮であるはずで、ロールモデルで言えば、同じアイドルグループ出身で、一時期はバラエティ番組でコントにも挑戦しましたが、今ではその匂いすら感じさせない女優・篠原涼子さんではないでしょうか」(前出・スタッフ)
最大の“武器”であると同時に、最重量の“足枷”とも言える「元・AKB48」の看板。果たしてW松井は、この足枷のなかで模索するふたりの先輩を差しおいて、女優として成功を収めることができるのだろうか? いずれにしろ、アイドルには必ず訪れる“卒業”を本当の意味で果たせるかどうかにかかっているようである。