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(更新: ORICON NEWS

W松井は女優として大成するのか? AKBの看板をいかに消化するかが鍵

 昨年8月にSKE48を卒業した松井玲奈が、3月13日スタートの深夜ドラマ『神奈川県厚木市 ランドリー茅ケ崎』(TBS系)で主演を務める。一方、SKE48の2エースとして共にセンターを張った松井珠理奈も、4月スタートの連続ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(同系)で、主人公・中谷美紀の高校生時代を演じることで話題になっている。彼女たちは、同じくアイドルから女優への道を歩む元AKB48の2大エース・前田敦子、大島優子に追いつき、追い越し、アイドルの枠組みを越えて女優として大成できるのだろうか?

高い評価後の主演作の玲奈、ドラマ本格進出の珠理奈、ともに女優として勝負作

  • 松井玲奈 (C)ORICON NewS inc.

    松井玲奈 (C)ORICON NewS inc.

  • 松井珠理奈 (C)ORICON NewS inc.

    松井珠理奈 (C)ORICON NewS inc.

 松井玲奈は、今クールでは長瀬智也主演のドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系)にゲスト出演し、今一番人気のイケメン若手俳優・野村周平演じる臨床検査技師がミスをして落ち込んでいると、野村の頬に手を当てて「慰めてあげよっか?」とキスを迫ると、すぐさまネットでは「俺も慰められたい」といった絶賛の声であふれ返った。その他、『初恋芸人』(NHK BSプレミアム)にも出演するほか、過去には『ニーチェ先生』(日本テレビ系)など、地方キー局も含め多数のテレビドラマ出演をこなしてきている。

 「松井玲奈さんは、そもそもファンの間でも演技力が高いことは知られていました。『マジすか学園』(テレビ東京系)でも、AKB48メンバーの中では異彩を放ってましたし、本人も当初から女優を目指していたと聞いてます。『フラジャイル』にしても、ゲストながらロングヘアをバッサリ切るなど、女優魂もなかなかのもの。製薬会社の小悪魔系女子を見事に演じ切って、正直言って、歌ってた時よりカワイイと思うこともありますね」(ドラマ制作会社スタッフ)

 どちらかと言えば、センターを張っていたアイドルとしては地味な印象があった松井玲奈だが、その純朴さを逆手に取った“ギャップ”が高い評価に繋がっているのかもしれない。

 一方、“W松井”の松井珠理奈の演技力はというと、過去に3作ほど映画出演しているが、あくまでも脇役。AKB48関連のドラマや地方局以外では、『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)のスペシャル版に、秘書役として出演。当時は16歳で、21歳の秘書役だったため、実年齢とのズレもあった。ただ今回のドラマでは、中谷美紀の女子高生時代ということもあり、実年齢とも近く、メイン役を演じることもあり、注目を浴びることは間違いないだろうし、松井珠理奈にとっても勝負どころになるに違いない。

アイドルでの活躍は、最大の“武器”と同時に、女優として最重量の“足枷”にも

 いずれにしろ“W松井”の今後の活動に注目したいが、気になるのは先陣を切って女優活動する前田敦子&大島優子の“元AKB48のWエース”の存在。そもそも前田と大島は女優として成功していると言えるのだろうか? 確かに両者ともAKB卒業後、コンスタントにドラマ出演している。前田は映画『イニシエーション・ラブ』ではひと皮剥けた演技を見せたほか、『ど根性ガエル』(日本テレビ系)ではヒロインも務め、4月放送開始の深夜ドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)に至っては、大物政治家の番記者ながら不倫や二股交際に溺れるという“汚れ役”にも挑戦するという。いわば大物アイドルのキャリアを払拭するかのように、役柄や作品を選ばない“演技派・個性派”女優の路線へとまい進しているようだ。

 一方、大島は“AKBの太陽”と呼ばれた当時のまま、王道路線を歩んでいるように見える。高視聴率を誇るNHK連続テレビ小説『あさが来た』にも、“最終兵器”として登場することが決定。昨年の主演ドラマ『ヤメゴク』(TBS系)では、派手なアクションに挑戦して新境地を見せたが、これも女優としてはある種、王道である。

 ただ前田も大島も、いまだ“元・AKB48”の出自はついて回るし、本人たちもAKB48のイメージを脱し切れていないようだ。昨年大晦日の『紅白歌合戦』でもふたりはサプライズ参戦し、現役AKBメンバーを圧倒するオーラを放ち、9日発売のAKB48の10周年記念シングル「君はメロディー」にも参加しているのも、ある意味で諸刃の剣と捉える向きもある。

 「しいて言うなら、松井玲奈はメジャー作品にこだわらない前田敦子系。松井珠理奈は、“中谷美紀の高校生時代”というある程度のポジションも約束されてることから、いわば王道を進む大島優子系と言えるかもしれません。両者とも目指すところはアイドルから女優への脱皮であるはずで、ロールモデルで言えば、同じアイドルグループ出身で、一時期はバラエティ番組でコントにも挑戦しましたが、今ではその匂いすら感じさせない女優・篠原涼子さんではないでしょうか」(前出・スタッフ)

 最大の“武器”であると同時に、最重量の“足枷”とも言える「元・AKB48」の看板。果たしてW松井は、この足枷のなかで模索するふたりの先輩を差しおいて、女優として成功を収めることができるのだろうか? いずれにしろ、アイドルには必ず訪れる“卒業”を本当の意味で果たせるかどうかにかかっているようである。

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