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(更新: ORICON NEWS

芸能界復帰の森脇和成、心境を語る「甘い世界じゃないのはわかってる」

匿名の声は気にならない 気にしてたら何もできないですから

──目に見えないだけでサラリーマンだって大変ですからね…。では11年ぶりに芸能界に復帰されたのは何がきっかけだったのでしょうか。
森脇 理由はいくつかあって、“元芸能人”として出させてもらった『しくじり先生』の反響が大きかったこと、当時勤めていた会社の社長に「もう一回やってみたら?」と背中を押されたこと。いろんな要素があります。それから、サラリーマンをやってなきゃいけない理由がなくなったことも大きかったですね。ただ、とりあえず収録前日に会社を辞めはしましたけど、『しくじり先生』に出た時はまだ復帰は考えてなかったんですけどね。

──サラリーマンをやらなければいけなかった理由とは、ご家族でしょうか。
森脇 はい。芸能界を引退してしばらくはサパークラブを経営してまして、1軒目は潰しちゃいましたけど、2軒目はそこそこ良かったですよ。ただ娘が生まれて、僕の中で結婚=堅い仕事、というイメージが強かったので、サパークラブ時代に知り合った方の会社に就職させてもらったんです。ただ2年前に離婚しまして、守るべきものもなくなったので……。

──どんなに疲れて帰ってきても、営業成績が万年最下位でも娘さんたちが何よりの支えだったと本書にも書いてありました。その後、娘さんたちには会っていますか?
森脇 いえ、会ってないです。めちゃめちゃく会いたいですけどね、向こうにはもう新しい家庭があるので、そこは突っつきたくないというか。ただやっぱり男親としてはかっこいいところを見せたいし、もし彼女たちがこの先の人生でつまづいたり、困ったりしたことがあったら、いつでも助けてあげられるように準備はしておきたいと、それは常に思ってますね。

――この本を読んでいると、森脇さんが困っているときには必ず誰か差し伸べてくれるっていうのがあって、それは森脇さんのお人柄なのかなとも思うんですけど。
森脇 多分真面目だからだと思います。嘘つかないし、表裏もないし、良くも悪くもバカ正直。ただ、真面目=正解っていうことでもないと思うんですけど。

──今回の復帰にあたっては、いろいろな意見があるようですね。
森脇 ネットとかでいろいろ言われてるのは知ってます。正直、最初はビビってましたけど、そんなの気にしてたら何もできないですから、今はなんとも思ってないですね。匿名の声は気にならないです。「芸能界はそんな甘い世界じゃない」とかいうのも、言われなくてもよく知ってます。僕も一度は経験してますから。

芸能界での新しいポジションを作っていきたい

──たしかにそうですよね。芸能界の中でもいろいろな種類がありますけど、森脇さんはどんな肩書きを目指そうと思っていますか。
森脇 あえて言えばタレントじゃないですかね。これまでの職業もそうなんですけど、芸能界の中でもいろいろなことをやりたいと思っているので。まだ結果を残せていないので、胸張って言えるわけじゃないんですけどね。一生かけて一つの分野を極める美学もあるけど、好きなことを全部やる人生もいいじゃないですか。別に芸能界にもこだわってるわけじゃないんですよ。せっかく今までいろんなことを経験してきたので、自分の世界を狭めたくない。何でいろんなことができるのに、みんな「これだけをやろう!」って思うのか不思議ですね。別にできること全部やったらいいじゃないって。

――その中でも、芸能界の魅力ってなんですか?
森脇 華やかだし、成功すれば収入もついてくるしっていうところじゃないですか。ただ、過去のことはあんまり意識していないですよ。あんなこともうできないし、世の中も変わってますし。今はまだどこにも僕のポジションはないと思うので、自分で席をつくっていけたら。芸能界って椅子取りゲームみたいなところがあるじゃないですか。椅子に座るには、誰かを押しのけなくちゃいけない。僕は争いごとが嫌いなので、椅子を自分で作りたいんです。

──では今具体的にやってみたいと考えていることはありますか?
森脇 まずやりたいなと思っていることは、芝居ですね。自分で脚本を書いて役者としても出る、作・演出・出演にチャレンジしてみたい。そんな簡単な話じゃないとは思うけど、今回この本を書いてつくづく自分は流されてばかり来たなと反省しまして。だからこれからはただ流されるんじゃなくて、ちゃんと自分が何をやりたいのかを考えて、一つひとつの仕事を噛み締めながらやりたいと思っています。さすがにもう22歳の若造じゃないですし、今まで生きてきた年輪というか、人の味というか、そういった部分も仕事に滲み出てくれればいいなと思ってます。

──猿岩石を再結成したいというお気持ちは?
森脇 いや、ないでしょう。少なくとも有吉には何のメリットもない話ですから。僕としても有吉がピンで成立しているところに入っていってもやることがないので、あんまり意味はないと思ってます。まあ、有吉のギャラを半分もらえるっていうなら、二つ返事でやりますけどね(笑)!

(文/児玉澄子)
『もしかして、崖っぷち?』
発売日:2016.02.26
価格:1200円(税別)
森脇和成・著
KADOKAWA・刊

猿岩石としてデビューし、ヒッチハイクの旅で一躍スターになった森脇和成。突然の芸能界引退、そして水商売、サラリーマン……様々な転身を経て、11年後、再び芸能界へ。引退の真相から一般人としての生活、芸能界復帰までのストーリーを赤裸々に綴った本。

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