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来年には主演も決定、ボーイッシュから大人の女優へ 内田有紀再び脚光のワケ

 先日終了したドラマ『偽装の夫婦』(日本テレビ系)に出演し、元夫にDVを受けて左足に障害を負い、「女性しか愛せなくなった」シングルマザーを好演した内田有紀。今や四十路となった彼女だが、ここにきて女優としての活動は充実する一方で、来年1月放送開始のドラマ『はぶらし/女友だち』(NHK BSプレミアム)では主演を務め、『ナオミとカナコ』(フジテレビ系、木曜22時〜)では、何とあの広末涼子と初共演。現在アラフォー世代の男性にとっては、90年代トップアイドルの共演は、まさに狂喜乱舞のキャストティングであろう。気がつけば、内田はあらゆるドラマに3、4番手ながらも、ずっと出演し続けてきているのだ。

“ボーイッシュ”なイメージで90年代アイドル界を席巻

 内田有紀のデビュー当時の人気はすさまじかった。1992年、『その時、ハートは盗まれた』(フジテレビ系)で女優デビューすると、超高視聴率ドラマ『ひとつ屋根の下』(同)に出演、94年には『時をかける少女』『17歳』(同)で主演も張り、同年10月に『TENCAを取ろう!−内田の野望−』で歌手デビュー、オリコン史上初の女性ソロ歌手デビュー曲初登場1位を記録したのだった。

 当時の内田は茶髪のショートカットで肌は小麦色。いわゆる“ボーイッシュ”なタイプのアイドルであり、なぜか口調も「ワタシ」ではなく「ボク」「オレ」が多く、役どころとしては、ちょっと生意気なギャルだけど微妙に暗い過去がある…といったパターンがほとんど。95年に広末涼子がデビューすると、同じショートカットながら黒髪、天然系美少女の“広末”と好対照のキャラとして、ともに90年代のアイドル界を支える存在となり、数々のドラマや映画に出演するアイドル女優として活躍していくことになる。

一時、芸能界を引退も女優として復帰 手堅く出演し活躍の場広げる

 そんな内田も、90年代後半になると本格的に女優業にシフトし、2000年に「北区つかこうへい劇団」に入団。2002年に出演した『北の国から 2002遺言』(フジテレビ系)では、純の最後の恋人を熱演。何とそのまま、役通りに吉岡秀隆と結婚し、芸能界を引退するのだ。

 2005年に離婚すると、女優として復帰。主演こそ減ったものの、3、4番手の役どころで映画『踊る大捜査線THE MOVIE 3』(2010年)、『踊る大捜査線THE FINAL』(2012年)、ドラマ『ドクターXシリーズ』(テレビ朝日系/2012〜2014年)、『軍師官兵衛』(NHK総合/2014年)、そして今年の『偽装の夫婦』等々、数々の話題作に手堅く出演し、女優としての活躍の場を広げてきた。今ではかつてのアイドル時代の印象をガラリと変え、押しも押されもせぬ“演技派女優”の存在感を放っている。

アイドルイメージを払拭 大人の魅力溢れる女優に成長

 そして来年2016年は、まさかの広末との“ダブル主演”である。このキャスティングは、90年代に若者だった男性世代にしてみれば、あり得ない“夢のタッグ”であり、話題になることは間違いないだろう。内田にしろ広末にしろ、プライベートではさまざまなことがあったが、それぞれ“芸の肥やし”として女優の一線に立ち続けている。

 現在の内田有紀のすごいところは、20年前と変わらぬ、相変わらずのショートカットにも関わらず、大人の魅力溢れる女優として成長し続けるところだ。最新2作(『偽装の夫婦』と来年の『ナオミとカナコ』)にいたっては、連続で“夫のDV被害者”という役だったが、女優としての確かな存在感を提示している。天海祐希や吉瀬美智子といった、どちらかと言えば「最近になってよくテレビで見るようになった」アラフォー女優とは違って、“一緒に育ってきた”感もあるだけに、男女ともに同世代からの応援・支持も受け、今後のさらなる活躍が期待される女優のひとりである。

(文/五目舎)

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