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(更新: ORICON NEWS

奇才? 天才? 軽いノリ? ビジコンに勝つ大学生はこんな人!

Facebook、Dropbox、Gunosy、ジョブセンス、クックパッド…。多くの人々が知っているITサービス。これらのIT企業は、「創業者が学生時代にビジネスアイデアを考え、在学中もしくは卒業後に起業した」という共通点があります。学生でビジネスに携わる人って特別な人なのでは? そんな疑問を胸に、学生ビジネスコンテストでグランプリを獲得した摂南大学の4人グループに話を聞きました!

地域活性化に貢献してみたい! 素朴な思いが最初の一歩

 今回お話を聞いたのは、大阪府寝屋川市にある摂南大学の太田順也さん、主藤結さん、木瀬稜介さん、塩崎良太さん。太田さんがリーダーを務めるこのチームは、寝屋川市が市内産業のさらなる振興を目的に開催した「第一回ワガヤネヤガワ・ベンチャービジネスコンテスト」で農業部門賞を受賞。さらに、応募総数130件、「工業(ものづくり)」「商業」「農業」「協働」の全部門の中から最優秀賞のグランプリを獲得したのです!
  • 経営学部経営情報学科4年 太田順也さん

    経営学部経営情報学科4年 太田順也さん

  • 四川ガーリック味の福神漬け

    四川ガーリック味の福神漬け

 「カレーに乗せてはいけない福神漬けを寝屋川市の特産品にしよう!」というキテレツなアイデア…。その発想の理由やチーム結成のいきさつを聞いてみました。

―福神漬けなんですね
太田さんはい。寝屋川産の野菜を使って、何かできないかと。いろいろ調べてみると、寝屋川市の郷土料理を学ぶ料理講習会の公開レシピに、福神漬けがあったんです。地元食材を活用しますし、これはビジネスチャンスになると考えました。

―みなさん経営情報学科ですが、なぜIT系の企画ではなく農業部門に応募を?
太田さん受賞を目指していたので、ライバルが少ないかなと(笑)。実際に、他の部門よりも応募が少なくてよかったです。でも、グランプリまで取れるとは思っていませんでした。

―勝つための戦略だったのですね。でも、なぜカレーに乗せてはいけないの?
太田さん最初にいろいろな味の試作品を作り、ゼミ内で試食してもらったんです。その結果を分析したところ「白ごはんに合う」という意見が多くあって。そこからワイン味噌味や焼き肉味など、白ごはんに合う福神漬けというコンセプトに決めました。普通と違った使い方をすることで、新しい価値を生むことを狙って。ちなみにこれを「ラテラル・マーケティング」といいます。授業で習った知識ですけど(笑)。
  • 経営学部経営情報学科4年 主藤結さん

    経営学部経営情報学科4年 主藤結さん

―ビジコンに参加したきっかけは?
太田さん以前ゼミの先輩が、寝屋川市の別のコンテストに参加したのを見て、自分も一度、挑戦してみたいと思ったからです。地域活性化というコンテストのテーマにも、興味がありました。そこで、同じゼミの仲間を誘いました。
主藤さん私は、太田くんが「参加してみたい」と話していた場に居合わせて、その場で誘われて…。だから、ノリですね(笑)。
木瀬さん僕は、「寝屋川市の野菜を使って何かしよう」と誘われて。なんだか面白そうだと思って、参加しました。
塩崎さん僕は、「野菜のプロジェクトに参加してみないか?」とLINEで誘われて。一瞬、何のことなのか、わかりませんでしたが、興味が湧いてすぐに参加を決めました。

 話を聞いていると、学生らしいユルさもあり、スゴイところもある不思議なチームという印象。ただ、提案したプランが優秀な内容であることは間違いない。その証拠に、現在は市からの支援を受けながら、市内の食品会社と協力して地域イベントでの販売と2015年11月の商品化に向けたプロジェクトを進めているそうです。

ビジコンで評価されるポイントとは?

  • 経営学部経営情報学科3年 木瀬稜介さん

    経営学部経営情報学科3年 木瀬稜介さん

―白ごはんに合う福神漬けというコンセプトが決まった後、プランはどのように仕上げていったのですか。
塩崎さん福神漬けをどのようにしたら目新しい味になるか、どんな野菜を使用するかといったアイデアを出し合い、試作品を作りました。
木瀬さん焼き肉味とか、ワイン味噌味とか、いろいろ試しました。僕が一人暮らしで、自炊しているからと、“シェフ”に任命されて。
主藤さんでも、応募書類の作成は、ほとんど太田くんが1人で進めたよね。
太田さん夏休みに入ったため、思うようにみんなで集まれず、応募期限まで1ヶ月くらいしかなかったから。まずは1人で突き進んでしまいました。

―先ほど伺った戦略や試食アンケート以外に、プランの作成で工夫したことは?
主藤さんいろいろと事前に情報収集をしました。太田くんと、福神漬けのレシピを公開していた料理講習会にも参加しました。
太田さん市役所の方へのインタビューも一緒に行ったよね。実際に寝屋川市の農業の厳しさや販売面での悩みなどを聞き、自分たちのプランの方向性が間違っていないと実感しました。あと、書類提出にあたって、審査員の方々に実現の可能性を実感してもらうために、完成した試作品の写真とレシピを応募書類に同封しました。
  • 経営学部経営情報学科3年 塩崎良太さん

    経営学部経営情報学科3年 塩崎良太さん

―プレゼンテーションの準備や本番での工夫は?
主藤さん私たちをずっとサポートしてくれていたゼミの久保先生の発案で、私が発表者(プレゼンター)になったことです。「参加者に女子が少ないので印象に残る」という理由からです。
太田さんスライドは視覚的に訴え、重要なポイントが印象に残るように工夫しました。
主藤さん基本的なことですが、プレゼンでは前を見て話すこと、話すスピードや声の調子などにも気を配りました。
  • 試食会の様子

    試食会の様子

―では、ビジコンの活動で苦労や大変さを感じた瞬間は?
塩崎さん何もかもが初めての経験だったので、商品や販売手法などアイデアの発案やチーム進行でいつも悩んでいましたね。久保先生への報告・連絡・相談を忘れたときに、全員でこっぴどく叱られたこともありました。
木瀬さんグランプリ受賞後の商品化に向けた販売プランの修正も大変でしたね。想定の甘さが判明して…。
太田さん当初は、何も考えずに販路をコンビニエンスストアやネット通販と想定していたけれど、技術やノウハウも販売ルートもないから、とても実現できない。最終的に、商品を共同開発している食品会社の協力もあって、スーパー・マーケットで販売できる予定が立ちよかったです。個人的な苦労は、チームのマネジメントを十分にできなかったこと。あと、本番までの約1ヶ月間、先生やみんなの指摘で何度もスライドや原稿を修正したことです。
主籐さん本当にプレゼンの練習は大変でした。人に伝えることの難しさを痛感しました。

 最初は気軽に参加した様子でしたが、その後はメンバーそれぞれが、いろんな苦労や悩みを乗り越えて、グランプリを獲得。実際に社会とかかわり活動する現在、「先生や大学職員の方々、市役所や協力会社の方々にサポートいただいています」(太田さん)、「経営学やマーケティングの知識が本当に役立っています」(塩崎さん)と、大学のサポートや周囲への感謝を実感しているようです。

ビジコンで勝つ学生はやっぱり特別なの?

 苦労を重ねながらも、コンテストでの勝利をつかんだ4人。チームやそれぞれのパーソナリティには、特別なものがあるの? それぞれの性格にも迫ってみました!

―自分の性格やチームでのタイプを自己分析すると?
塩崎さん僕は、無理をせず、歩みは遅くても着実に前へ進もうと考えるタイプですね。
太田さん確かに、いつも安心して仕事を任せられる。でも、時折、すごいアイデアを出したりする。5月に学内や市役所などで開催した、商品化へ向けた試食会も塩崎くんの発案だった。
木瀬さん塩崎くんは、一発の意見でチームを動かす着火剤のような存在かも。自分は、アイデアよりも、事実から地道に論理を組み立てたり、作業に取り組んだりするタイプかな。ただ、チームの方向性が決まると、俄然積極的に取り組みます。
太田さん僕は、人見知りで恥ずかしがり屋なところがあるので、本来は1人でコツコツと作業をするのが好き。最初、1人で突っ走っていたし、あまり協調性がなかったかも(笑)。
主藤さん私も、自分では協調性はない方だと思う。性格は、負けず嫌い。自分の意見はストレートに言いますね。
木瀬さん冷静に、客観的な視点でズバッと言いますよね。太田さんのプレゼン資料にも、ズバズバ指摘していましたからね。僕たちの暴走を止めるブレーキというか、リスク管理役ですよ。

 個性はそれぞれ違うけれど、みんな特別な人ではなく、今どきの大学生。ただ、ほんの少し、一歩を踏み出す勇気と好奇心があったのだ。

 福神漬けの商品化プロジェクトは、2015年度から学生が企業・団体・地域と協働しながら学ぶ摂南大学の「PBLプロジェクト」のひとつに。イベントや店舗での販売などを見越して今は他の学部生も加わって、約20人に拡大しているそう。商品化が楽しみですね!

摂南大学

7学部13学科からなる総合大学。薬剤師国家試験や青年海外協力隊選考試験では、全国トップレベルの合格実績を毎年達成。心の通った少人数教育と、理論と実践を連動させたアクティブ・ラーニングなどにより、学生の可能性を伸ばしている。

〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8

(取材協力:摂南大学)

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