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生意気だけどヘタレなイラつかせ芸人、三四郎・小宮の珍味

一度見たら忘れられない前歯が欠けたビジュアルと舌足らずな話し方、そして「若手芸人は生意気ぐらいがかわいいだろう!」という持論から先輩にもタメ口で話すこともあるお笑いコンビ・三四郎の小宮浩信。そんな彼が、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の芸人ドラフト会議で選ばれたり、『ゴットタン』(テレビ東京系)ではスタッフからも徹底的にイジられるなど、業界からかなりの注目を浴びているのだ。たしかに、彼の姿をテレビで観ると、イラっとさせられながらもつい気になってしまう……そんな人も増えているのではないだろうか。

実は強固な芸人魂を持つ強者?

 三四郎とは、2004年に結成されたマセキ芸能社所属のお笑いコンビ。コンビとしては『THE MANZAI』(フジテレビ系)の認定漫才師に選ばれるなど、その実力も認められている。だが、ツッコミの小宮は、同じ事務所の先輩である出川哲朗や狩野英孝に続くポンコツキャラとされ、『アメトーーク!』では“マセキの最終兵器”とも紹介されている。

 ちなみにこの印象的な前歯は、雨の日に酒を飲んでいて転び、折ってしまったことが原因なんだとか。さらに、その場に一緒にいた後輩芸人を笑わせようとガードレールに激突して足も骨折。小宮は「ただの芸人魂」が引き起こした事故だと言い張っているが、そうだとすれば、かなりの芸人魂を持つ強者だろう。その後も前歯を治すことなく、テレビに出演。いまやトレードマークにもなっている。

 そんな彼が注目を浴びるきっかけになったのが『ゴットタン』だろう。初登場の際は、先輩にもタメ口を使い、“番組史上もっともレギュラー陣をムカつかせた芸人”として扱われた。さらに上述の事故の直後だったため、車いすで出演。ツッコミどころ満載で観ている人全員を戸惑わせた。

 その後も『ゴットタン』にはよく出演し、女慣れしていないことを暴露されたり、ラジオが「クソつまらない」など番組に関係ないことでヤジられたりと好き放題イジられる始末。その一つひとつに対して噛みながら反論する姿がなぜか笑いを引き起こすのだ。さらに先日はこのキレ芸を活かし『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)にも出演。「若手キレ芸No.1オーディション」で、居並ぶ強豪のなかでしっかりと爪跡を残した。

愛らしく思えてしまう生意気ヘタレ姿

 ちなみに、小宮の声は、音声認識のシステムや機器にはまったく認識されないという。また、いざ話し出すと噛んでしまい、何を話しているのかよくわからない。一体、なぜここまで滑舌が悪いのか、本人も不思議だったらしく、養成所時代に医師に診断してもらったという。すると、普通の人の舌の筋力が10だとすると、小宮は4しかないと言われたとか。そんなエピソードを見ていると、最初は何者かわからず、攻め込んでくる姿に怖ささえ覚える小宮だが、その生意気だがヘタレな姿を知れば知るほど、不思議なことにどこか愛らしく思えてしまう。

 お笑い芸人が寄ってたかってイジられすぎていると、視聴者は不快に感じてしまうことも少なくない。でも彼の場合、どんなにイジられようともそれに屈することなく、思い切り噛みつき返し、もういいだろうと思ったタイミングでさらにまた噛みつく。かと思えば、虚勢を張って相手に立ち向かうもガツンと言われると、つい今さっきまでの生意気さがウソのようにシュンと小さくなる。そんな姿がまたおもしろく、可愛らしく感じてしまうのだ。

 そんな小宮の魅力は、まさに珍味。これから長く愛される珍味になるのかどうか、楽しみなところ。
(文:吉田可奈)

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