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世界中でアイドルが誕生〜なぜインスタグラムは人気なのか?

 写真共有アプリ・インスタグラム(通称・インスタ)の利用者が、昨年12月に3億人を突破し、2010年のサービス開始から約4年でツイッターの利用者数を越えた。最近では、米人気歌手のレディー・ガガが婚約発表するなど自己発信できるメディアとして確立、芸能人が開放的な気分で水着や下着姿を披露することも多い。なぜインスタグラムは、人を“無防備”にさせるのか? 改めて機能面や取り巻く環境など、様々な側面からインスタグラムの功罪について考察してみよう。

FBやツイッターは“読む”、インスタグラムは“見る”がメイン

 インスタグラムとは、簡単に言うと無料の画像・動画共有アプリケーションソフトウェア。デジタル画像を編集・加工し、同サービスだけでなくフェイスブックやツイッター、タンブラーといった他のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で共有できる。ツイッターと同様に、フォローした人の写真がタイムライン上に掲載され、アップロードした写真はフェイスブックのように「いいね!」やコメントを付けることができる。インスタ内のカメラで撮影した写真や動画(15秒以内)以外も使用でき、非公開設定も可能だ。

 ツイッターやフェイスブックは、日常の出来事(つぶやき)などを“読む”ことがメインだが、インスタは写真や動画を“見る”ことがメイン。写真が軸のため、ひと目見ただけで「フォロー」や「いいね!」を得やすく、言語の壁が低いため、他のSNSに比べて海外からのリアクションも多い。機能面では、撮影・画像加工から投稿・共有まで、全てインスタで完結する手軽さが良い。また、自分自身とフォローしている人の写真のみタイムラインに表示されるため、「いいね!」ができても第三者に「シェア」はされない。他のSNSに比べクローズドな環境が、炎上や争い事を軽減している。

芸能人は好感度を上げる絶好の場、セクシーな写真も芸術的な作品として認知

 素人でもプロカメラマンのように、芸術的な写真が撮れるのがインスタの利点。人物や風景はもちろん、何気ない物でもアプリ内の加工機能(フィルター)を使用すると、ポートレートやトイカメラで撮影したようなオシャレな写真に生まれ変わる。多くの著名人も愛用し、近況報告から自分の世界観を伝えるものまで、内容や使い方も様々。例えばレディー・ガガは、コンサートでの激しいダンスが原因で高山病になった際に、酸素マスクをつけた自撮り写真で、入院したことを告白。前述の婚約発表もそうだが、インスタを自身の近況報告の場(メディア)として上手く活用している。AKB48の島崎遥香は、人気アニメ『魔法の天使クリィミーマミ』のコスプレ姿を披露し、「似合いすぎる」と実写化を望む声が寄せられた。水原希子やローラは、モデルで培われた洗練された感性を活かし、ファッションやトレンドに敏感な女性を中心に人気を獲得。芸能人が好感度を上げる絶好の場となっている。

 また、普段はあまり見せないセクシーな写真を公開する芸能人も多い。米人気歌手のテイラー・スウィフトをはじめ、タレントのダレノガレ明美や芹那は、セクシーなビキニ姿を公開。セクシーな写真も“フィルター”機能を使うことで“いやらしさ”が薄れ、有名写真家が撮ったような芸術的な写真に加工できる。ユーザーの反響も良いため、「美しい私を見て」と“無防備”になるのも納得。“裸にジャケット”姿の秋元才加や“透けビキニ”姿の小嶋陽菜は、カレンダーや写真集の撮影ショットを公開。“もっと見たい”という人間の心理をくすぐる格好の宣伝ツールとなった。

「1枚の写真」で表現するため、誤解を招きリスクを伴うこともある

 インスタは、直接的な収益はないが、使い方次第で広告以上の宣伝効果がある。企業や著名人でなくとも、インスタから人気に火が付き有名になった人も多い。自ら“インスタアイドル”と名乗るmegbaby(メグベイビー)もそのひとり。「美しすぎる」と“自撮り写真”が反響を呼び、雑誌『ViVi』(講談社)では特集が組まれ、スタイル本が発売された。「謎の美男子」と“自撮り写真”が話題となったGENKING(ゲンキング)は、“気になる人”として『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演。「イケメンでオシャレ」と“ファッションアイコン”として人気のUsuke Devil(ユウスケデビル)は、『進撃の巨人』エンディングテーマのミュージックビデオに出演。彼らのような“ネット発のアイドル”は、フェイスブックやツイッターでは生まれにくい。もちろん人物だけではない。グラフィックデザイナーの山崎佳は、“朝ごはん”のオシャレな盛りつけが受け、料理本『TODAY’S BREAKFAST』(主婦の友社)を発売。「ブログ本」も流行ったが、“写真を見せる”という意味で本や雑誌との愛称が良い。

 一方、「1枚の写真」で表現するため、リスクを伴うこともある。インスタ人気No.1の水原希子でさえ、ある写真家の作品を掲載したことで物議を醸し、ネットが炎上。見た人の受け取り方も様々なため、本人の判断力が問われる。また、好きな有名人のプライベートを見れるのは嬉しいが、“プライベート感”が出過ぎると“オフィシャル感”が薄れ、ファン離れを起こす危険性もある。

 Rev.from DVLの橋本環奈も「奇跡の1枚」がネットで“発掘”され全国区へと広まった。インスタも「写真」をきっかけに、好感度を上げる芸能人や素人がアイドル的な人気を獲得するチャンスがある。ネットやSNSでの自己発信が当たり前となった今、インスタグラムは確立されたひとつのメディアとして、今後も十分な可能性を秘めている。

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