(更新:)
ORICON NEWS
佐藤浩市×西村雅彦×吉瀬美智子 SPECIAL INTERVIEW どうなれば大人なんだろう―― 逃げたのではない 踏み出す一歩
悩みを持つ女性を意識しながら…[吉瀬美智子]
【佐藤】 50歳を過ぎて、新しい家族を作る責任と怖さを感じながらも、それを構築していく。しかも、それが血族によるものではないというテーマは、すごく新鮮でした。でも、難しいということはなくて、違和感なく取り組むことができましたね。
【吉瀬】 私が演じた貴志子の場合も、子どもを持つこと、子どもが持てないことに対しての複雑な気持ちが描かれています。それは、経験した女性にしかわからない部分もあるかもしれないんですが、自分の周囲にも、こういった悩みを持っている女性がたくさんいたので、意識しながら演技していました。
――西村さんは、不況のなかで切磋琢磨する経営者を演じられましたが、演じる上で意識した部分はありますか?
【西村】 僕の場合は、かなり唐突な登場の仕方をするんです。あまりにもいきなりな感じもあるし、いろんな事件も起こるので、観ている人がすんなり入っていけるようにしないといけないなと思いました。だから、佐藤さんや監督さんの力をお借りして、共感できるシーンにしようとは思いましたね。でもねえ、生きていて、僕が演じた社長のように、いろんな事件に遭遇したら、ヘコみますよね……。
――そういった悲しみや傷が、3人をフンザへといざなうわけですね。
【西村】 でも、彼らは、悲しみからフンザへ逃げたわけではないんです。さらなる光を求めたんじゃないかと。それが、人間としての生きる姿勢だと思うんです。それで、フンザの地で心に変化があって。でもそれは、映画のなかの彼らにだけ起こりうることではなくて、誰にでも共通して起こるものだと思います。あれは、踏み出す一歩ですね。
――フンザのシーンだけでなく、佐藤さんが着物の吉瀬さんを見てタクシーを飛び降りるのも、踏み出す一歩でしたよね。
【西村】 あれはすごい勇気ですよ。その後、高い買い物もしていますからねえ(笑)。
【佐藤】 別にあれは、ナンパしに行ったわけじゃないんですよ(笑)。
(文:西森路代/写真:草刈雅之)
⇒ 前のページへ【なんて難しいことを聞くんですか(笑)】
映画情報
関連リンク
・映画公式サイト