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二階堂ふみ&太田莉菜 SPECIAL INTERVIEW 重いし、苦しいし残酷…でも、不快感を超えて残る―― その先にあるものを考えてもらうための表現
観る人の感性によるけど…勘違いされたくない
【太田】 バスを爆破するときにすぐ近くにいたんですけど、涙が出るくらいびっくりしました。簡単に人が死んでしまうということを想像してしまって。爆発の風圧がすごくて、ものすごく揺れるんです。エキストラの人たちも予想以上の衝撃で本当に悲鳴をあげていました。自分が演じているゆりあと緑川の手でこんなことが行われているのかと思うと、恐怖に打ちのめされました。爆発しているのを見て楽しんでいるゆりあと緑川は何なんだろう、誰にでもちょっとした狂気はあるものだから、心のねじが外れてしまえばこうなってしまう可能性もあるのだろうか、と人間の心理や狂気について考えるようになりました。
【二階堂】 爆破シーンが多かったので、それを全部緑川がやっているんだなって思うと申し訳ない気持ちになりました。でも、私たちも殺人や爆発がおもしろいと思ってこの映画を作っているわけではないんです。そこは観ている人に勘違いしてほしくないと思います。その先にある「悪とは?」「人間とは?」という漠然としたものをじっくりと考えてもらうための表現方法としてやっているので。もちろんこれを観た人がどう感じるかはその人の感性によると思いますけど。
【太田】 残酷だったね、気持ち悪かったねとか、そういう感想もあるかもしれないですけど、私にはそれ以上のものが残りました。重かったし、苦しかったし。実際に生きているとそうじゃないですか。なんでもかんでもうまくいくわけじゃない。そういう意味ではこの映画も多少の不快感は残りますよね。その不快感をみなさんがどうほじくり回してくれるのか、それが楽しみです。
(文:岡 大/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
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映画情報
脳男
都内近郊で無差別連続爆破事件が発生。刑事の茶屋は、ついに犯人・緑川のアジトを突き止めたが、 確保できたのは身元不明の男だけだった。緑川の共犯者と見なされた男は、その犯行が異常だったため精神鑑定を受けることに。生まれつき並外れた知能と肉体を持ち、正義のため犯罪者を抹殺する感情を持たぬ殺人ロボット。そんな彼を人は“脳男”と呼んでいた―。そんな中、緑川が精神科医・鷲谷の勤務する病院を襲撃し始める。”脳男”と緑川の想像を絶する死闘が始まった…。
監督:瀧本智行
出演:生田斗真 松雪泰子 江口洋介 二階堂ふみ 太田莉菜
【OFFICIAL SITE】
2013年2月9日(土)全国東宝系ロードショー
(C)2013 映画「脳男」製作委員会
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