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(更新: ORICON NEWS

長谷川博己『僕は器用にこなすことができないタイプ』

幅広い役柄を器用にこなし、どれもハマり役にみせてしまう個性派俳優・長谷川博己。そんな長谷川が演じるのに不安を抱いたというのが、歌あり踊りあり、方言ありの周防正行監督『舞妓はレディ』。同作の裏話から、長谷川の飾らない素顔が垣間見えた。

自分の歌のシーンは脂汗が出てきて…

──俳優“長谷川博己”が陽気に歌って踊る姿がとても新鮮でした。オファーが来たとき、長谷川さん自身は京野役にどんな印象を持ったのでしょう?
長谷川正直、自信はなかったのですが、飛びこんでみないと扉は開かないだろうなと思って、思い切って挑戦してみようと。それから、周防監督の作品に出たかったというのもあります。

──実際に周防監督作に飛びこんでみた感想は?
長谷川準備期間、稽古期間が3週間くらいしかなかったんです。しかもその前まで連ドラもあったので、そういう状況のなかで京言葉や鹿児島弁を身につけるのはプレッシャーでした。でも、周防監督に「お願いします」と言われたら「こちらこそ! よろしくお願いします!」ですよね。失敗したらどうしようという不安もありましたけど、自分にできない仕事はこないだろうし、できる! と前向きに考えました。

──とはいえ、限られた時間のなかで、どうやって踊り、歌、方言を修得していったんですか?
長谷川方言に関しては、録音したテープを聴きながら毎日生活していました。ただ、言語学者として話す京都弁なので、僕ががんばってそれらしく話せばそうなるのかなと(笑)。窮地に追い込まれると人は能力を発揮できるのかもしれないです。

──窮地をクリアしてしまうとそれを上回る仕事が来そうですね。
長谷川もう少しのんびりやりたいという気持ちもありますけどね(笑)。

──困難を乗り越えた作品、完成した映画を観た感想も聞かせてください。
長谷川誰にでも勧められる上質なエンターテインメント、いい映画だなって思いました。日本の奥深さを堅苦しくなくファンタジーとして描いていて、楽しんで観ることができる。古き良き日本の映画のなかに新しい歌や踊りが入っているのがこの映画の魅力であり、西洋的なカラッとしたミュージカルとはまた違って、京都らしい淡い感じというか、そういう感覚が残る心地よさがありますよね。ただ、自分の歌のシーンは脂汗が出てきて冷静に観ていられなかったですけど(苦笑)。

言わずに心のなかで願っている

──(笑)京都のお茶屋さんをはじめ花街(かがい)の町並みもセットとは思えない素晴らしさでした。
長谷川埼玉に作られたオープンセットなんですけど、一杯飲みたくなるような、本当に素敵なセットでした。川まで作っているのには驚きましたね。


──そのオープンセットを含めて、一番思い出に残っているセット、シーンはどこですか?
長谷川京野の研究室でのミュージカルシーンですね。動きながら歌って踊って演じるのは楽しかったんですけど、研究室のあの空間をどういうふうに使って動き回ったらいいのか、見せ方が大変なシーンではありました。撮影当日に何度も動きを確認して、リズムやタイミングを大事にしながらの撮影でしたね。


──何か参考にしたものはありますか?
長谷川いわゆるミュージカル映画とは違うと思ったんですよね。一番最初に台本を読んだときに感じたのは、ウディ・アレンの映画に近いのかなって。『世界中がアイ・ラヴ・ユー』とかですね。あと、“語るように歌う”というイメージを意識して歌うようにしていました。

──研究室で京野と春子が一緒に歌う「京都盆地に雨が降る」も、とても楽しい歌と踊りでした。春子役の上白石萌音さんについて、共演した感想を聞かせてください。
長谷川なにもかも上手にやってしまう女優さんです。舞妓になりたいとお茶屋にやってきて、歌と踊りを学んでいくんですが、お茶屋にやって来たばかりのシーンの春子は何もできないので、その下手な感じを演じるのが大変そうではありましたね。でも、才能なんでしょうね、歌も踊りも演技もさらっとやってしまうので、同じ俳優として悔しい気持ちもありました(笑)。

──という長谷川さんも、さまざまな役を演じる幅広い演技力の持ち主。最近のドラマ『MOZU』で演じた悪役も素晴らしかったですし、これから公開する映画『海月姫』『ラブ&ピース』『進撃の巨人』など、また違う長谷川さんを観られるかと思うと楽しみです。
長谷川僕はもともと何かを器用にこなすことができないタイプなので、とにかくいろんな役をやらないとって思っているんです。だから、(大げさに)作り込んでいくキャラクターは好きです。ただ不思議なのは、そういう役ばかりを選んでいるのではなく、自然と声を掛けてもらえるということ。それはすごく嬉しいですね。

──いま現在やってみたい役はありますか?
長谷川それを言うと叶わなくなってしまう気がするんですよね(笑)。言わずに心のなかで願っているとその役がやってくるというのが、僕のなかでジンクスのようなものになっているので、言わずにおきます(笑)。
(文・新谷里映/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

舞妓はレディ

 舞台は京都。歴史の古い小さな花街(かがい)・下八軒(しもはちけん)は、舞妓がたった一人しかいないという、大きな悩みを抱えていた。そこへ、津軽弁と鹿児島弁のバイリンガルという、おかしな方言を話す女の子が「舞妓になりたい」とやってきた。

 全国の方言を操るヘンな大学教授の計らいで、お茶屋の仕込みさん(住み込みの見習い)になった彼女は、コワーイ師匠や先輩たちに囲まれ戸惑いながらも、舞妓になるために大奮闘!

 しかし、厳しい花街のしきたり、唄や舞踊の稽古、慣れない言葉遣いに戸惑い、ついに春子は声が出なくなってしまう……。はたして彼女は一人前の舞妓になることはできるのか?

監督:周防正行
出演者:上白石萌音 長谷川博己 富司純子
【映画予告編】 【公式サイト】
2014年9月13日(土)公開
(C)2014 フジテレビジョン 東宝 関西テレビ放送 電通

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