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連載開始から36年、100巻突破『キャプテン翼』作者・高橋陽一「翼がくれた世界への感謝」

仕事人としての高橋陽一が大切にしているのは「プロの誇り」

週刊少年漫画誌といえば、漫画家が憧れる花形であり、激戦区。それを戦い抜くための秘訣を明かしてくれた。高橋陽一流のオンオフのバランスの取り方、ピンチの乗り越え方とは。

「戦い抜く秘訣は”諦めないこと”です。原稿を落としたことはなかったのですが…ワールドユース編が途中で打ち切られてしまった。それはつらかったですね。その前の作品も打ち切られているのですが、それは作家としての実力不足。次の作品で盛り返そうっていうことに尽きる。落ち込むことはありますが、楽観的なので立ち直るのは早いかもしれないですね。“打ちながら次に行く”みたいな感じです。それを続けて来られたのも、やっぱり、漫画が好きっていう思いですね」

「週刊誌の連載は体力的にキツいと言われますが、僕はペンは早い方だったんです。ネームも早くて、当時は体力もあったし、週刊連載きついなってあまり思わなかったですね。丈夫な身体に生んでくれた親に感謝しています。それこそ4日で仕事終えて3日遊ぶっていうことをやってましたね。とはいえ、煮詰まることはやっぱりあります。そういう時はスイッチを切っちゃう。リフレッシュしたところでスイッチを入れ直すタイプです。元々漫画が好きですから、休んでいると自然と漫画を描きたくなるものなんですよ」

「基本は、アシスタントの細部まであまり干渉はしません。アシスタントもプロとしてやっているので、お互いプロの関係には徹していますね。プロなんだからこれはやってかないといけないよね、プロなんだから…という基準で日々の仕事をしています。ハタチのころからアシスタントを入れて漫画を描いてきました。当時は年上のアシスタントと仕事することが多かったですし、そこで培ってきた経験値はあります。そういう意味では、今のほうが楽は楽ですよね。人付き合いなのでうまくいかないことも当然ありますが、“プロ同士”であることが根底にあります」

「おかげさまで原稿を落としたことは一度もない。締め切りは守るっていうことに関してはずっとクリアしています。ただ、芸術家としてはどうなのかなと。本当の芸術家は締め切りを気にしないんだろうな、自分は芸術家じゃないなって思います(笑)」

漫画の世界をリアルに広げていきたい

「今は連載自体は体力的にキツいですが、絵を描くことは好きなので、イラストなり絵を描く仕事は今後もずっと続けたい。漫画以外の作画のチャンスは増えています。以前、『キャプテン翼展』という原画展をやらせていただきました。普段描く漫画は、原稿用紙の大きさが決まっているので、大きい絵を描くのが楽しかった。僕は今もデジタルじゃなく手描きでやっています。自分の作画は柔らかい画風なので紙が合うと思うんです。それに、画像データではなく、一枚の絵として残したいという気持ちがあるんでしょうね。原稿はそのまま額縁に飾れるものにしたいと思って描いています」

現実のメーカーも作中に登場しているほか、今年の夏には『キャプテン翼』の舞台公演も行われる。漫画以外のステージではどんな夢を持っているのだろうか。

「サッカーといえばアディダス、というイメージがあって作中で翼はアディダスを身に付けています。若林源三はアディダスからプーマに変わりましたが、その時の感覚ですね(笑)。日向だったらナイキ。それも、このキャラが実在したらこうかな?って考えています。大空翼モデルのサッカースパイクとか、そういうものも創っていきたい。漫画から派生して、立体とか、『キャプテン翼』の世界を広げていけたら素敵ですよね」

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