お盆や年末年始に実家に帰省すると、独身者には「結婚」の圧力がどこからともなく現れる。オリコンの本ランキングから社会のトレンドを分析するYouTube番組「オリコンBiZトーク」で、結婚の在り方について議論が交わされた。直木賞候補にもなった話題作『多類婚姻譚』がそのきっかけだ。同番組では、本作に描かれた現代のリアルな結婚の悩みをひもときつつ、紀元前2350年頃のメソポタミアから現代の多様な選択肢に至るまで、人類にとって結婚とは何だったのかを歴史的変遷とともに考察している。 番組内で取り上げた『多類婚姻譚』は、現代の結婚に関するさまざまな悩みや実情を描いた5編の短編からなる作品だ。作中の2編目では、入籍を目前に控えた男女の葛藤や、丁寧な暮らしをしている地方出身の1人暮らしの派遣社員の女性が抱く、東京での結婚への果てしなく遠い道のりなどが生々しく描かれている。また4編目では、極端な価値観を持つ恋人に翻弄される男性主人公の姿が描かれており、男性の心理を代弁するような内容に救われる読者も多いという。 著者は、現代の結婚の難しさを浮き彫りにしつつ、読者と共に結婚について語り合いたいという思いを本作に込めている。
2026/08/20