ラグビー稲垣啓太選手、福岡堅樹選手らが今だから語る 家族同然だったONE TEAMの素顔
今大会に向けた日々の過酷なトレーニングを振り返る稲垣選手
そんな同試合前の「君が代」斉唱のシーンが映ると稲垣選手は、「国家を歌っているときになんで泣くんですかってよく聞かれるんですけど、説明難しいですよね。4年間のすべてを捧げてこの場に立てばわかるよって言うんですけど、なかなか理解してもらえないでしょうね」と日頃の思いをポツリ。すると堀江選手も「やっとこの場に立てたという感じがありますよね。歌いながらいろいろな人への感謝も考えるし」と同調する。
また、アイルランド選手との激しいスクラムの押し合いやぶつかり合いのシーンでは、W杯に向けた日々の過酷なトレーニングを振り返り、稲垣選手は「フィジカルという部分では、みんな確実に成長しましたね。ここをターゲットに4年間やってきましたから。フィジカルだけでなく、コンディショニングも含めて、そうとうやり込みました。大丈夫かっていうレベルまで」。堀江選手も「死ぬんじゃないかっていうくらい。そうとうきつかった」と感慨深く振り返る。福岡選手は「とくにフォワードはそうですね」。いまだからこそというリラックスした雰囲気のなか、つらさをまったく感じさせない口調で、ハードだった鍛錬を語り合った。
福岡選手が語る、アイルランド戦終了5分前のインターセプトの真相
福岡選手は、同シーンでは、敵選手の追走を競技場のモニターを観ながら把握していたことや、追いつかれて孤立したなか相手のノックオンをさそった仕掛けなど、荒々しいぶつかりあいのなかの駆け引きや綿密なプレーを解説した。
一方、アイルランド戦とサモア戦で勝利を収め、予選突破をかけた最終戦となるスコットランド戦。日本代表がまさにONE TEAMとなって臨んだスクラムで、相手の反則を奪ったシーンを観ながら、稲垣選手は「家族愛。チカラを感じる。高ぶった」。福岡選手は「家族以上に一緒に時間を過ごしていますよね」。さらに稲垣選手は「1年間に250日一緒に生活している。家族だよ」。その言葉に思わず胸を熱くさせられる。