【Creators Search】売れっ子職業作詞家いしわたり淳治、ヒット創出の背景に独自の“Words produce”
4/1付で11位を獲得したはちみつロケットの「忠犬ハチ公」は、ソウル、ファンクをベースにしたノスタルジックなダンスチューンに“一途についてくる男の子に惹かれはじめる女の子”の気持ちを描いた歌詞を乗せ、はちみつロケットの品のいいキュートさを引き出している。
作詞家、プロデューサー、さらに“Words produce”としても活躍し、日本の音楽シーンに欠かせないクリエイターの1人であるいしわたりは、1997年から2005年にかけて活動したオルタナティブバンド・SUPERCARでギターと作詞を担当。バンド解散後は、チャットモンチーに関わったことをきっかけに、プロデューサー・作詞家としての活動をスタートさせた。その後、Superflの「愛をこめて花束を」、少女時代の「PAPARAZZI」、剛力彩芽の「友達より大事な人」、Chayの「あなたに恋をしてみました」、BOYS AND MENの「帆を上げろ!」、Little Glee Monsterの「世界はあなたに笑いかけている」、石川さゆりの「オリーブの島」など、ジャンルや世代を超えた幅広いアーティストに歌詞を提供。さらに9mm Parabellum Bullet、flumpool、ねごと、NICO Touches the Walls、GLIM SPANKYといったバンドのプロデュースを担当するなど、サウンド、歌詞の両面でアーティストをサポートできる存在として、数多くの優れた作品を残している。
いしわたりの制作スタンスが顕著に表れているのは、“Words produce”としての仕事。シンガーが歌いたいこと、伝えたいことを汲み取り、培ってきた作詞のテクニックを加えることで、幅広いリスナーに訴求できる歌詞に結びつけるというわけだ。GLIM SPANKYの「褒めろよ」、OKAMOTO’Sの「マジメになったら涙が出るぜ」などは、その好例だろう。シンガーが自ら手がけた“等身大の歌”だけではなく、プロの手による質の高い楽曲が求められる昨今、いしわたりの手腕はさらにニーズを増しそうだ。