【Creators Search】DA PUMP、再ブレイクの裏にKAZの編曲 特性と時代を的確に捉えたアレンジ力
多くのアーティストを手がけてきたKAZだが、特にw-inds.との関わりは深く、「Love is the greatest thing」(2007年/『第49回日本レコード大賞』金賞受賞(編曲))、「Rain is fallin’」(2009年/『第51回日本レコード大賞』優秀作品賞受賞(編曲))など数多くの楽曲を手がけている。
順調にキャリアを重ねてきたKAZの名前が大きくクローズアップされたのは、昨年、国民的ヒットを記録したDA PUMP「U.S.A.」のアレンジを担当したのがきっかけ。ご存知のように、同曲は1990年代のユーロビートのカバーだが、当時のきらびやかな雰囲気を残しつつ、現代的なエレクトロのテイスト、ハードロック調のギターなどを加えることによって、“ダサかっこいい”と称されるアレンジを実現。「U.S.A.」のヒット及びDA PUMPの再ブレイクに、KAZのアレンジャーとしての手腕が大いに関わったことは言うまでもない。
そのセンスは、「Viva!! Lucky4☆」と「桜」でもしっかりと発揮されている。まず「Viva!! Lucky4☆」は、「U.S.A.」と同様、“現代版のユーロビート”と呼ぶべき仕上がり。ノリやすい4つ打ちのビート、キャッチ―なシンセ音などによって、ミラーボールが似合うキラキラした世界観を描き、“ふわふわ”の新たな魅力を引き出している。DA PUMPの「桜」も、ユーロビートを下敷きにしながら、「if...」を想起させるアレンジメント、和の要素を感じさせる音の装飾を施し、懐かしくも新しい桜ソングとして提示。アーティストの状況を踏まえたうえで、的確なサウンドを提案できるクリエイターだ。
(文/森朋之)