【Creators Search】解散のBiSほか“アイドル×ロック”ヒットの図式を確立した松隈ケンタ

  • BiSのシングル「Are You Ready ?」

    BiSのシングル「Are You Ready ?」

 突如解散を発表し、4/1付オリコン週間シングルランキングで2位を獲得したBiS「Are You Ready?」の作曲・原盤制作ディレクターや、同日付で63位にランクインしたEMPiRE「ピアス」の作詞作曲、プロデュースを手がけている松隈ケンタ。BiSやEMPiREをはじめ、BiSHやGANG PARADE、私立恵比寿中学といった女性アイドルを多く手がけており、ここ数年の“アイドル×ロック”というヒットの図式を確立したひとりと言えるだろう。

 BiS「Are You Ready ?」は、映画のヒットにより再ブレイクしたクイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」を想起させるロック・オペラ風の楽曲。EMPiREの現体制ラストとなるシングル「ピアス」は、メンバー脱退を受け止め、前に進んでいこうとする彼女たちの意志を反映したエモーショナルなナンバー。メンバーのリアルな感情を活かしたボーカル・ディレクションを含め、どちらの曲にも松隈の独自のセンスが存分に発揮されている。

 ロックバンド・Buzz72+のギター&ボーカルとして2005年にavex trax よりメジャーデビューした松隈。バンド休止後に作詞家、作曲家、プロデューサーとして活動をスタートし、中川翔子「フライングヒューマノイド」、柴咲コウ「ラバソー 〜 lover soul 〜」などの作曲を担当するなど、主に女性アーティストの楽曲に関わってきた。ロックのエッセンスをJ-POPに持ち込んだ彼の楽曲はその後、アイドルシーンに大きな影響を与えることになる。2014年には音楽制作プロダクション・SCRAMBLEを設立し、代表取締役に就任している。

 過激な活動スタイルで熱狂的な支持を得たBiSH、BiSでは、全曲のプロデュースを担当。メロコア、ヘビィーロック、ミクスチャーの要素を取り入れたインパクトのある楽曲によって、アイドルの音楽に新たな潮流を生み出した。全員のユニゾンではなく、歌唱パートの多くをソロパートで構成することも彼の特徴。楽曲のなかにメンバー個々のキャラクターを反映させることで、生々しい手触りを生み出しているのだ。また、グループの現状をドキュメンタリー的に取り入れた楽曲にも、彼のロック的な志向が活かされている。ここ数年のアイドルとロックが密接に関係している現象には、松隈のプロデュース・ワークも大いに関係しているようだ。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索