高橋英樹、『リーガルV』で“硬派”から“キュート”へ ギャップを武器にイメージ刷新
時代劇での殺陣技術は、時代劇スターのなかでも群を抜く
現在の高橋のイメージが決定づけられたのは、1970年代〜1990年代に出演した“時代劇ドラマ”だ。司馬遼太郎原作の『竜馬がゆく』(1968年)で土佐勤王党の盟主・武市半平太を演じたほか、『国盗り物語』(1973年)では織田信長が当たり役となるなど、NHK大河ドラマには欠かせないキャストとなる。その一方で、『桃太郎侍』(日本テレビ系/1976年)を始め、『遠山の金さん』(テレビ朝日系/1982年)、『三匹が斬る!』(テレビ朝日系/1987年)などの勧善懲悪もので数多く主演し、豪胆なキャラクターと人情味溢れる大岡裁きの役どころが高橋の代名詞になった。そして殺陣の技術は時代劇スターのなかでも群を抜くと言われ、大人数を斬り捨てる派手な殺陣や、『遠山の金さん』で魅せた手拭いを使った殺陣は、高橋が演じる時代劇の真骨頂になった。また、2012年に放送されたドラマ『必殺仕事人2012』(ABC・テレビ朝日系/2012年)では、初の悪役に挑戦。東山紀之が率いる“新生・仕事人”たちの前に立ちはだかる悪役ぶりが大きな話題になった。
いい意味で一周したからこそ出せるギャップの魅力
一方プライベートでは、フリーアナウンサー・高橋真麻の父親として、しっかりと娘を育てた良き父親ぶりが有名。真麻がフジテレビの女子アナ時代から、「娘のためなら」とネタにされることもいとわず進んで親バカぶりを発揮していった。その結果、妻と娘を大事にする良き家庭人としての素顔が広く知られるようになり、2017年9月に『2017年 第15回グッドエイジャー賞』を受賞。任侠ものでの立ち居振る舞いや時代劇で颯爽と馬を乗りこなす、一切弱さを見せないようなキリリとした表情とは一転、家族にデレデレの素顔がいいギャップを生んでバラエティにも引っ張りだこになった。越後製菓のCMで、自身の代表作『桃太郎侍』をパロディしたことも有名だが、そうしたいい意味で一周したからこそ見せることができるギャップの魅力が、『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』での京極雅彦役でも発揮されている。