『SUITS』日本版成立の鍵は配役 Pが明かす織田&保奈美27年ぶり共演は偶然の産物
目指すのは「クールでスタイリッシュ」なドラマ
そこで、真面目な好青年の印象を持つ中島さんがベテランの織田さんに噛み付くという、ちょっと見ていてヒヤヒヤするイメージでいこうと考えた。そうすればあの絶妙な関係が出せるように思ってオファー。奇跡的に快諾していただき結実しました。現場での織田さんはとにかく存在感が素晴らしい。役割を担っているのではなく存在そのものが座長。主役の“器”というものを改めて感じています」(後藤博幸プロデューサー/以下同)
『ONE PIECE』のセリフを引用したやり取りも
これは日本では権利関係などがあって難しいのですが、アメリカでは特に映画サイドに許可はとっていない。エンタテインメントに対する度量が大きな国なんでしょう。ですが私どもも何かできないかと考え、関係者の協力を仰ぎ、アニメ『ONE PIECE』のセリフを引用したやり取りを入れるなどしました」
「原作の最大の魅力は、主要人物たちのキャラクター。リーガルドラマと言いながら法廷シーンはほぼなく、人間ドラマとして観せていきたいので、原作からは変更しなければ成立しない部分だけ変えています」
その分、キャスティングが重要になる。
世間を賑わせた『東京ラブストーリー』コンビの27年ぶりの共演は狙ったものではなく偶然だったのだ。後藤氏は、「“プロデューサーとして、そういうスケベ心がないとダメだろう”とお叱りも受けました」と笑う。
『東京ラブストーリー』の再放送は大反響
「社会的意義のための再放送。番宣としての話題性も十分でしたし、それも合わせて今後、再放送についての発想が社内で変わる可能性もあるかもしれません」
現在の視聴率低迷や、コンプライアンス関連での制作の難しさについても聞いた。
「気遣うことは20年前と比べるとかなり増えていると思います。ですが、今はそれも当然の時代であり、面白いものを作れないという理由にはならない。つまりハネるものはハネるんです。日本中で話題になる状況を生み出せばいいわけで、本作もSNS展開でさまざまな試みを考えています。各局、業界すべてのクリエイターの方々から刺激も受けたいですし、私も本作で奮闘中。今後も業界をあげた全員で、ハネさせられるものを作っていけたら幸いです」
文/衣輪晋一
(『コンフィデンス』10/15号掲載)
●プロフィール/後藤博幸氏(ごとう ひろゆき)
1968年生まれ。93年にフジテレビジョンに入局。99年に『ほんとにあった怖い話』でプロデューサーデビュー。05年の月9『危険なアネキ』で初の連ドラ単独プロデュースを手がけ、以降『CHANGE』(08年)、『任侠ヘルパー』(12年)、『極悪がんぼ』(14年)、『5→9 〜私に恋したお坊さん〜』(15年)など、数々の話題作を手がけている。また、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』(07年)、『メイちゃんの執事』(09年)など、企画としてもさまざまな作品に携わっている。
1968年生まれ。93年にフジテレビジョンに入局。99年に『ほんとにあった怖い話』でプロデューサーデビュー。05年の月9『危険なアネキ』で初の連ドラ単独プロデュースを手がけ、以降『CHANGE』(08年)、『任侠ヘルパー』(12年)、『極悪がんぼ』(14年)、『5→9 〜私に恋したお坊さん〜』(15年)など、数々の話題作を手がけている。また、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』(07年)、『メイちゃんの執事』(09年)など、企画としてもさまざまな作品に携わっている。
Information
毎週月曜 21:00〜
出演:織田裕二、中島裕翔、新木優子、中村アン、小手伸也、鈴木保奈美ほか
https://www.fujitv.co.jp/SUITS/(外部サイト)
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