ドラマ&映画 カテゴリ

『半分、青い。』『ぎぼむす』が示したドラマ主題歌とデジタル配信の親和性

 星野源の朝ドラ『半分、青い。』主題歌が大ヒット。『ぎぼむす』『絶対零度』『チアダン』それぞれの主題歌も、ドラマの盛り上がりとともに好調な推移。ドラマ主題歌とデジタル配信の親和性の高さが浮き彫りになった。

星野源「アイデア」初週23.6万DLで1位

  • 星野源「アイデア」

    星野源「アイデア」

 星野源の「アイデア」が8月20日にデジタル配信スタートし、初週で18.8万DLの大ヒットとなった。これまでに米津玄師の「Lemon」(ドラマ『アンナチュラル』主題歌)が2/26付で初週23.6万DLを記録していたが、これに次ぐ破格のDL数となった。

 本作は、2018年前期のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』主題歌。4月2日の放送開始から、月曜から土曜まで毎朝90秒オンエアされ、オープニング映像の青空のようなさわやかな曲調と誰もが勇気づけられる星野源の歌唱は、連日20%超えの高視聴率を獲得しているドラマの物語とともに好評。放送開始後、早い時期から発売が待たれていたが、半年間の放送が残り1ヶ月となったところで満を持して配信限定でリリースされた。

 もともとの星野ファンに加えて、朝ドラファン層をしっかりと掴んでおり、この先もデジタルランキング上位を定位置としそうだが、年配層の視聴者が多い朝ドラ主題歌だけに、その先のパッケージ化の戦略も気になるところ。高いポテンシャルを持つ朝ドラ主題歌の新たなリリース展開としても注目したい。

MISIA、家入レオ、サンボマスターの主題歌も順調に推移

  • MISIA「アイノカタチ feat.HIDE (GReeeeN)」

    MISIA「アイノカタチ feat.HIDE (GReeeeN)」

 そのほか、すでに配信中の今期の連続ドラマ主題歌も好調だ。『義母と娘のブルース』(TBS系)主題歌のMISIA「アイノカタチ feat.HIDE (GReeeeN)」は、7月31日の先行配信開始後、ドラマの話題性の高まりに呼応するようにDL数も右肩上がりで伸びている。

 リリースから4週目で累計DL数は11.2万。8月22日にはフィジカルも発売されたが、初週比較ではDL数がCD売上枚数を大きく上回っている。
  • 家入レオ「もし君を許せたら」

    家入レオ「もし君を許せたら」

 月9ドラマ『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』(CX系)主題歌の家入レオ「もし君を許せたら」は、ドラマ放送開始から4週後の8月1日にフィジカルとデジタルを同時リリース。こちらもデジタルのほうが好調だ。フィジカルの売上枚数が2週目から下がっていくのに対して、デジタルは視聴率二桁をキープするドラマと同様、2万前後の高いDL数を推移し、累計7.6万DL(CD売上枚数1.2万枚)まで積み上げてきている。
  • サンボマスター「輝きだして走ってく」

    サンボマスター「輝きだして走ってく」

『チア☆ダン』(TBS系)主題歌のサンボマスター「輝きだして走ってく」は、デジタルが7月20日に先行配信開始、フィジカルが4週後の8月15日にリリースされた。こちらは初週売上がほぼ同数だったが、その後、フィジカルの推移とは対称的に、デジタルはドラマの盛り上がりとともに右肩上がりでDL数を伸ばしている。累計ではデジタルのDL数がCD売上枚数の7倍ほどになっているが、この差はこれからも大きくなっていくことだろう。

 それぞれの主題歌によってフィジカルとデジタルのリリースタイミングは異なるものの、共通しているのは、デジタルはドラマの視聴率や話題性などその盛り上がりに同調して、細かくDL数を上下させながらも、好調に推移していること。

 見逃し配信でのネット視聴や、SNSなどで語り合いながらドラマを観るといった視聴形態が浸透してきているなか、デジタルでのDL購入はそこと地続きであり、自然な購入行動への入口を設けられていることになる。この3曲からは、ドラマ主題歌とデジタル配信の親和性の高さを改めて見ることができる。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索