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『君の名は。』BD&DVD、初動セールスの“ある特徴”

 今年のパッケージ市場において一大トピックとなっていた『君の名は。』のBD、DVDが発売され、初週の売上枚数は4形態合計で63.8万枚となった。その盤種別の初動を見ると、これまであまり例のない特徴的なセールスになっている。

BD&DVD、初動セールスの“ある特徴”

 昨年公開された映画は動員1900万人。コアファンだけでなく一般層にまで複数回劇場に足を向けさせた同作だが、単純に動員数と初動売上枚数の割合を見ると3.4%が購入した計算になり、映画動員2000万人超&パッケージ初動155.3万枚で7%を超えていた『アナと雪の女王』には及ばなかったものの、10万枚を超えるのが大きな壁になっている昨今の冷え切った市場において、60万枚超えというヒットを記録した。

 そんな同作だが、初動をリリース形態別に見ると興味深い傾向が現れている。通常は、特典の豊富な初回限定の特別版が発売と同時に大きく動き、通常版はロングテイルで時間とともに売れていく。ところが同作は、通常版が特別版のほぼ3倍の枚数を初週で売り上げる、特徴的なセールスになっているのだ。

 ここからは、購入者に「映画だけ観られればいい」というライト層がいかに多いかがうかがえる。それだけ映画が特定ファン以外の幅広い層にリーチしていたことがわかると同時に、その層に「手に持っておきたい」と思わせるコンテンツ力があることを物語っている。

UHDへの本格的なニーズの高まり

 もうひとつの特徴が、BD UHD盤が12.6万枚売れていること。東宝によると同盤の受注は20万枚に登り、「UHDデッキの普及が10万台ほどと聞いていたので驚きました」という。

 ハードがなくてもソフトを先行購入している層がいると見られ、高精細、高画質映像へのニーズが本格的に高まってきていること、そのシーンを動かすのはコンテンツの力によるところが大きいことを改めて実感させられる。

『君の名は。』は初回出荷120万枚で、初動の消化は53.2%。東宝の古澤佳寛プロデューサーは「目標は150万枚」としていたが、順調なすべり出しとなった同作の今後のセールス動向も注目していきたい。

提供元: コンフィデンス

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