道具感は健在!
ヘビーデューティーSUV「メルセデス・ベンツGクラス」が1979年のデビュー以来、初のフルモデルチェンジ! スクエアなデザインを受け継ぎながらも、フロントサスペンションなどは大幅に刷新された。軽やかで強烈な走りを報告する。
ビッグマイナーのはずだった!?
そもそもは軍事用高機動車としてNATOなどに79年から配備されたW461型をひな形に、それを民生向けとして快適性を中心にアレンジを加えたのがW460型こと「メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン」。89年にはフルタイム四駆化に伴うオフロードのイージードライブ化に加えて内外装はさらなる加飾が進み、Gクラスと呼ばれるようになった現在への礎となった。このビッグマイナーチェンジの際に用いられた型式名称が、W463型だ。
そのW463型との共通部品はスペアタイヤカバーとドアハンドル、ヘッドライトウオッシャーノズルのみといわれる新型Gクラス。ディメンションからして異なるものとなったわけだが、それに与えられる型式名称もまた、W463型である。
この点について開発責任者に尋ねてみると「最初はビッグマイナーチェンジでいけるだろうというもくろみで同型式名を社内申請していたが、気づいたらそうとは言えない状況になっていた」と、正直すぎる話を披露してくれた。ホンマかいなといぶかしがるも、隣にいた本社の広報担当者もまったく否定しなかったので、恐らくはそういうことなのだろう。
この緩さを好意的に解釈すれば、Gクラスはダイムラーのポートフォリオにおいても相当特殊な存在、すなわち数や金もうけうんぬんは他車で散々やってるから君は象徴としてどーんと構えていてくれればいいんだよと、さしずめそんなところだろうか。ともあれGクラスは可能な限り昔のままに見せつつも見る者が見れば明らかに違う、そして乗れば誰もがその進化に驚かされる……と、そういう類いのモデルチェンジを受けることになった。...