意のままの猛牛
ランボルギーニ初の“スーパーSUV”「ウルス」に試乗。新しいタイプのファイティングブルには、ほかの高性能SUVとは違った持ち味があるのか。その走りをサーキットから一般道、オフロードまで、さまざまな道でチェックした。
ランボの未来がかかっている
衝撃のコンセプトカーデビューから、足掛けちょうど6年。ようやく、ウルスを試すときがやってきた。
その市販スタイルがコンセプトカーとほとんど変わらなかったことと、プラットフォーム&パワートレインのデザインを同じグループから拝借したことを考え合わせたならば、6年という“掛かった歳月”は、MBD(モデルベース開発)が主流となった最近のトレンドからすると、いかにも長かったように思われることだろう。とはいえ、それは必要な時間でもあった。なんせ車両の開発だけでなく、新たなアッセンブリー工場の建設を用地の買収から始めなければならなかったのである。
ランボルギーニにとって第3のモデルとなるウルスは、成長戦略の要だ。彼らが“トラディショナルプロダクツ”と呼ぶミドシップスーパースポーツ系モデルの希少性を担保するためには、現在の年4000台という生産規模が適当であると判断した。それゆえ、それ以上の台数=成長、は違うキャラクターに任せるほかなかったのだろう。世界的なSUV人気を考えれば、まずは正しい選択だったといえる。
つまり。未来におけるスーパースポーツカーブランドとしての命運は、ひとえにウルスの成功いかんにかかっていると言っていい。ポルシェがSUVの「カイエン」で「911」や「ボクスター&ケイマン」といったスポーツカーの戦略をいっそう深化させたように、ランボルギーニもウルスを売りまくることによって、スーパースポーツカーの未来を可能な限り長く輝かせたいというのが、サンタガータのもくろみである。
ということは、「パナメーラ」のようなモデルもありえる? 首脳陣からは、その可能性についても言及があったが、今はとにかく新型SUVの話だ。さぁみんな、未来のスーパースポーツのために、ウルスを買ってくれ!...