起死回生の一台
三菱の新型クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」に試乗。クーペスタイルの見た目から“オシャレ系SUV”と判断しがちだけれど、だまされてはいけない! 「ランエボ」由来の4WDシステムや高いボディー剛性を備えた、実に真面目なクルマに仕上がっているのだ。
掛け値なしにカッコいい!
三菱自動車4年ぶりのニューモデル・エクリプス クロス! なにしろ4年ぶりだ。自業自得とはいえ臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の日々だったことでしょう。
われわれの務めは真実をお伝えすることだが、これをケナすのは水に落ちた犬を打つようなもの。微妙に書きづらいなぁと思いながら乗ってみたら、とてもいいクルマでした! この「とてもいいクルマ」という印象には、もともと期待値があまり高くなかったからというのもある。しかしそれでも、「かなりいいクルマ」とはいえる。
まず見た目がかなりいい。向こうから走ってくるのを見ても、真横から眺めても、後ろ姿を遠目に見ても、結構カッコいい。全体にメッキ類の化粧は厚めだが、フォルムに適度な凝縮感があり、わかりやすい未来感もある。前から見るとどこかシトロエンっぽく、後ろ姿はなんとなくボルボ。分割されたリアウィンドウはサイバースポーツ「CR-X」か「プリウス」か? ただしどれもマネには見えず、割と単純にカッコいい。このクラスのSUVを検討している人にとっては、「えっ、これ、結構いいんじゃ?」となる確率は高い気がする。
ちなみにですが、私がエクリプス クロスに試乗した際(2回)、それぞれ「ボルボXC40」と「レンジローバー イヴォーク」が一緒でした。さすがにこの2台と並べると、かなり見劣りしたのは確かです。特にメッキ類はうるさくて安っぽく感じました。でもそれは比べる相手が悪い。値段が全然違うんだから。例えば「C-HR」や「ヴェゼル」と並べたら、エクリプス クロスが一番質感が高く、オトナっぽく見えたんじゃないか。
ホントの話、XC40やイヴォークさえ見なければ、単純に「このクルマ、カッコいいよ!」と思えたのです。個人的にはメッキ部の一部をスプレー塗装でつや消し黒にしてみたい。そうすりゃXC40に対抗できるかも。そんなことも考えました。...