ネオクラシックのど真ん中へ
往年のダートトラッカーを思わせるスタイリングと、ビート感あふれるL型2気筒エンジンが魅力の「ドゥカティ・スクランブラー」シリーズに、リッターオーバーの大排気量を誇る「1100」が登場。その出来栄えを、ポルトガルのワインディングロードで確かめた。
ワインディングロードがよく似合う
試乗会がスタートしてしばらくして、その舞台がワインディングロードへと移ったとき、悩んだあげくジェット型ヘルメットを選んでポルトガル入りしたことを大いに後悔した。ドゥカティの国際試乗会は先導車のペースが速いことで知られているが、スクランブラーファミリーの試乗会ではワインディングを中心としたコースではなく、街中や海沿いのコースをのんびり走るのだろうとの予想を立て、よりカジュアルな見た目とかぶり心地のジェット型ヘルメットを選んだのだった。
しかし、ベースキャンプから渋滞した街中を抜けすぐに高速道路に乗り、郊外で降りると一目散にワインディグへと向かい、その後はずっとワインディングでの試乗。もちろん先導車は速いペースでジャーナリストたちを引っぱる。まさにスポーティーなフルフェイス型ヘルメット向きなコースだったのだ。試乗会を開催するとき、主催者である各メーカーは、そのルートを吟味する。紹介する最新モデルの、最も強調したい部分がビビッドに表現できるルートを選ぶのだ。そういった意味で、スクランブラー1100はスポーツライディングを強く意識したモデルであり、ワインディングではそのことをハッキリと理解することができた。...