圧倒的な世界観
「ベントレー・ベンテイガ」に最上級グレードの「スピード」が登場。ブランドの在り方をストレートに伝える名称のトップパフォーマンスモデルだが、従来型との最大の違いはその心臓部にV8エンジンが積まれていることだ。およそ不満のあろうはずもないが、最新モデルの仕上がりをリポートする。
W12時代の終わり
ベントレー・ベンテイガのフラッグシップモデルであるベンテイガ スピードのエンジンが、12気筒から8気筒になったなどと聞くと、自分なんかは自動的に“VR6”という言葉がぼんやりと浮かんできてしまい「年を取ったな」と深いため息をつく。
VR6はフォルクスワーゲン(VW)が開発した狭角のV6で、そのバンク角はわずか15度。ゆえに通常のV6であれば片バンクごとにそれぞれシリンダーヘッドを配置するが、VR6は1つのシリンダーヘッドでまかなう。これにより、6気筒でありながら4気筒並みのコンパクトなサイズが実現できた。いっぽうで、熱がたまりやすかったり吸排気効率が悪かったり整備性がよくなかったりなど、デメリットも散見された。
このVR6を2つくっつけたのが“W12”である。V6を縦につなげて12気筒にするのが一般的だった時代に、W12はVR6を72度の角度で横につなげ、つまり3気筒×4バンクという複雑な構造を持つ極めてコンパクトな12気筒エンジンとなったのである。しかし、コンパクトになっているのはV8並みの全長くらいで、扇のように横方向に広がってしまうため、補機類と合わせて結局エンジンルーム内にぎっしりと詰め込まれていた。
このW12を搭載していたのが従来型ベンテイガ スピードだったのである。ところが、W12は2024年に生産を終了。それに代わって4リッターのV8ツインターボエンジンが搭載されることになったのが、最新型のベンテイガ スピードである。ちなみに、いまでもV12を持っているのはフェラーリとメルセデス、そしてロールス・ロイスとアストンマーティンという2つの英国メーカーである。...