飛べよ! G/S
ビッグオフのパイオニアであるBMWが世に問うた、フラットツインの新型オフローダー「R12 G/S」。ファンを泣かせるレトロデザインで話題を集める一台だが、いざ走らせれば、オンロードで爽快で、オフロードでは最高に楽しいマシンに仕上がっていた。
そのスタイルが泣かせる
オフロードバイクにとって軽さは正義である。ライターのゴトーが若かった頃、オフロードは軽量なマシンで走るというのが常識だった。常識なんて書くと「ホントか?」と突っ込まれそうだが、周囲のバイク仲間も全員同じことを言っていたから、たぶん間違いない。
だから、1980年代にアドベンチャーバイクの先駆けとなる「BMW R80G/S」が登場したときは、「こんなものでオフを走る酔狂なライダーがいるのか?」と思った。当時の自分はレプリカブームに浮かれていたこともあって、BMWのフラットツインがISDT(International Six Days Trial)やパリ・ダカールラリーでスゴい強さを発揮しているなんて、まったく知らなかったのだ。
あれから四十余年、今日のバイクのトレンドを見ると、少し前から本格的なビッグオフローダーが続々と登場。大型バイクでダートを攻める“酔狂なライダー”が、ちょっとずつ増えてきた。
こういう状況を見て、パイオニアであるBMWが「本当のビックオフってヤツを教えてやる!」と送り出してきたのがR12 G/Sである。「いや、それはハイテク満載のフラッグシップ『R1300GS』のことじゃないの?」という人もいるだろうし、ゴトーも別に、開発者からそんな話を聞いたわけではない。しかし、こういう気持ちは間違いなくあったはずだ。なにせ、「やる気」がプンプンと漂ってくるようなバイクになっていたからである。
同じヘリテージモデルの「R12」よりメインフレームをつくり変え、長いサスペンションストロークに対応。「GSスポーツ」仕様ならモードセレクターには「エンデューロ・プロ」が追加される。しかもR80G/Sをほうふつさせるようなレトロデザインだ。好きな人が見たら、泣くんじゃないかと思う。1980年代はR80G/Sに見向きもしなかったゴトーでさえ、「ウォー! カッコいい」と叫んでしまったくらいである。...