さすがトヨタの屋台骨
「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジモデルが登場。一目で分かるのはデザイン変更だが、真に注目すべきはその乗り味の進化だ。特に初期型オーナーは「まさかここまで」と驚くに違いない。最上級グレード「Z」の4WDモデルを試す。
市場の要求に応じて自由自在
2025年は「クラウン」が誕生から70年の節目を迎えているが、来年は「カローラ」が60年、そして再来年は「センチュリー」が60年……と、トヨタにとっては何より大切だろう、イニシャルCのアニバーサリーが続くことになる。
とりわけカローラはトヨタの体幹そのものと言っても過言ではない。世界で最も売れた乗用車の座には長らく「フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)」が君臨していたわけだが、1990年代後半にはカローラが記録を更新。その後も台数を重ねて2021年には販売累計5000万台を突破した。これほど市場が拡大するなか、仕向け地ごとに好みも多様化している背景に鑑みると、ひとつの車名でこれほど数を重ねられる事態がこの先に起こるとは想像しづらい。
そうはいってもカローラって、もはや車型的にはなんでもありじゃあございませんの?
と、おっしゃる方もいらっしゃるだろう。そのとおりで、カローラはその時々のトレンドをちゅうちょなく反映してさまざまに姿形を変えてきた。絶頂期の1980年代には2ドアクーペと3ドアハッチバックという2つの車型を備えていた「レビン」はその最も名の知れた形態だろう。初代から用意されていた5ドアの商用ライトバンは、ステーションワゴンブームに乗って乗用ワゴンとしても展開。1990年代には“カロゴン”と呼ばせたそれが、後の「フィールダー」経由で現在の「ツーリング」へとつながっている。
そして3/5ドアハッチバックは併売されたピープルムーバーの「スパシオ」などと統合されるかたちで、現在の「スポーツ」がそのニーズを踏まえているのかもしれない。でもスポーツの系譜はどちらかといえば「FX」か……と、とにかくバリエーションには枚挙にいとまがない。そういう点ではビートルの生産台数とは意味合いが違うのも確かだが、求めに応じて何にでも化ける、それがカローラの強さでもあるのだとも思う。...