王者の風格あり
「ディフェンダー」2025年モデルのデリバリーがスタート。ディーゼルエンジンがパワーアップしたほか、標準装備の充実を図るなど、きめ細かな進化を遂げているのが特徴だ。2列目キャプテンシートが選べるようになった「130」の仕上がりを報告する。
6気筒エンジンのお手本
現行型に生まれ変わってからもう5年以上たっているのに(デビューは2019年のフランクフルトショー)、いまだにディフェンダーに乗ると、なんだか落ち着かないというか奇妙な感じがする。こんなに快適で洗練されていていいのだろうか? と戸惑うのだ。泣く子も黙る質実剛健なクロスカントリービークルであり、過酷な現場で働くプロフェッショナルたちのためのタフなワークホースだった時代の印象はそれほど体にしみこんでいる。一日走ると腕も足も振動でジーンとしびれてしまった、かつての苦行が夢だったかのように、今やディフェンダーはすっかり洗練された上等のSUVである。巨大で武骨な見た目とは裏腹な、その滑らかでまろやかなパワートレインと乗り心地には誰もが驚くはずである。
何度目かの繰り返しになるが、特に感心するのは直6ディーゼルターボの滑らかさである。今や主力ユニットとなったディフェンダーの3リッター直6ディーゼルターボには、直列6気筒ならこうでなくちゃ、と期待するものがすべて詰まっている。スムーズでたくましく、打てば響くピックアップも申し分ない。しかも48Vのマイルドハイブリッドシステムも備わっているから、アイドリングストップからの再始動も静かで滑らかなうえに、動きだしも当然素早い。巨大なボディーを動かすディーゼルターボだからしょうがないよ、と普通なら諦めなければならない振動や騒音、レスポンスの鈍さといった、その種の我慢が少しも要らないのである。
さらに新しい2025年モデルに搭載される「インジニウム」6気筒ディーゼルターボは従来型よりもパワーアップされ、350PS/4000rpm、700N・m/1500-3000rpmの最高出力と最大トルクを生み出す(従来型は300PSと650N・m)という。言うまでもなくそれが車名の「D350」の由来である。...