これぞスーパーカー!
740psという途方もないパワーを誇る「ランボルギーニ・アヴェンタドールS」に試乗。この地をはうかのごときファイティングブルは、スーパーカーの中のスーパーカー! とたたえるにふさわしい存在感に満ちていた。
いざ公道へ
豪雨の鈴鹿サーキットで、あろうことかの一発勝負!――率直なところ、「テストドライブどころではなかった」あの“悲劇のサーキットイベント”の日からはや2カ月。
絶対に、もう一度乗ってやる! と、ひそかに誓った(?)そのチャンスは、意外にも早く訪れた。車両はもちろんランボルギーニブランドの頂点に立つアヴェンタドールSだ。
“グリッターブルー”と称する目の覚めるようなボディー色や、エクステリアにちりばめられたさまざまなカーボンファイバーパーツ類。その他、そこに装着をされた実に1000万円超(!)分というオプションアイテムから判断すると、今回用意されたモデルは、どうやら鈴鹿で一瞬触れた個体と同一である可能性が濃厚。
そんなフラッグシップランボルギーニをあらためて借り出し、今度は一般道上でテストドライブと相成った。
それにしても、ミニバンにコンパクトカー、さらには商用バンにタクシー……と、“一般車両”が幅を利かせる道へと降り立ったアヴェンタドールSが放つ、オーラのほどはハンパなものではない。
異形(いぎょう)というのは、まさにこうした物体にこそふさわしい言葉。路肩に佇(たたず)むこのモデルの姿は、端的に言って“違和感”の塊そのものでしかなかったのだ。
アヴェンタドールならではの強烈な記号である跳ね上げ式ドアを開き、ドライバーズシートへと身を委ねると、そこにもまた異次元の世界が広がる。昨今流行のハードスイッチ削減という動きにはまるで背を向けたかのように、多くのスイッチ類が並ぶダッシュボードとセンターコンソールに目をやり、走り始めてからまごつかないように、と、まずは自身での“コックピットドリル”を実行。
その後、センターコンソール上でもひときわ目立つ真っ赤なカバーを跳ね上げ、中にあるスイッチをプッシュ。そう、もはや完全に「ロックオンした敵機にミサイルを撃ち込む」に等しいそんな儀式を経ると、背後にマウントされた巨大な6.5リッターV型12気筒ユニットは、ごう音とともに目を覚ますことになる。...