本気のブリティッシュスポーツ
職人の手になる、昔ながらのクルマづくりを今日に伝える英国の老舗、モーガン。しかしそのプロダクトの魅力は、クラシックであることだけではなかった。前のめりに走らせてこそ気づける、いにしえのブリティッシュスポーツの輝きを報告する。
ただの懐古主義の産物ではない
「モーガン」という名前を聞いて、それを伝統的なイギリスのオープンスポーツと結び付けられるクルマ好きは、ある程度いることだろう。しかし、その黎明(れいめい)期に数々の世界記録を打ち立て、レースで輝かしい成績を収めてきたメイクスであることまでは、あまり知られてはいないはずだ。だから、モーガンの名を聞けば「あぁ、あの大きな『スーパーセブン』みたいなヤツね。確かフレームが木でできているんだっけ?」みたいな印象を述べるに違いない。
かくいう筆者もその一人であり、過去に極寒の箱根でVツインエンジンを積んだ「モーガン3ホイーラー」に乗って、「このクルマ最高!」なんてはしゃいだ程度だった。
しかし、である。今回きっちり乗り込んでわかった。モーガンの最新モデルであるこのプラスフォーは、走らせてよし、流してよしの、最高にエンスージアスティックなブリティッシュスポーツカーだ。
その概要をあらためて紹介すれば、今回試乗したのは2020年にフルモデルチェンジした現行型モーガン・プラスフォー(参照)のマイナーチェンジ版だ。基本的な構造としては、当時新設計されたアルミ製の大型バスタブシャシー「CXジェネレーションストラクチャー」に、BMWの2リッター直列4気筒ターボ(最高出力:258PS、最大トルク:350N・m)を搭載して、後輪を駆動する仕組みに変わりはない。
ちなみに、有名な木製フレームはエンジンコンパートメントの仕切りと、メーターまわりからサイドシル上部、そしてリアクオーターからトランクまわりまでをカバーするトリムとしてシャシーの上にかぶせられている(つまり応力には影響しない)。...