分かりやすさのその先に
メルセデスの新たな2ドアクーペ「CLE」にメルセデスAMGブランドの高性能モデル「CLE53 4MATIC+」が登場。優雅さを追求した4座クーペでありながら、その心臓部には最高出力449PSの直6ユニットが積まれているのだ。ドライブした印象をリポートする。
4座クーペを守るという意地
言うまでもなく、2ドアクーペという車型は今や死に筋だ。存在を肯定してもらうためにはスポーツカーとして認められるほどのパフォーマンスを備えるか、豊かな歴史に彩られるブランドロイヤルティーを代弁した優雅なデザインや豪華なしつらえを盛るほかはない。ステーションワゴンどころかセダンさえも絶滅危惧種扱いの今、故意ではなく市場原理的な淘汰(とうた)ゆえ、大半のメーカーはあらがう術もないだろう。
そんななか、ドイツのプレミアム御三家はおのおのセダンベースのトラッドなクーペをしぶとく擁していたが、そちらにもいよいよ合理化の波が見えつつある。アウディは電動化の流れを受けて「A5」の名前を従来の「A4」的なポジションの内燃機系モデルに譲り、2ドアクーペの去就が注目されるところだ。BMWはMモデルの受け皿でもあるがゆえ2ドアクーペのラインナップは充実しているが、メルセデスは現行世代でその車種群を整理し、「Sクラス クーペ」を廃止したうえで、「Cクラス」と「Eクラス」のクーペを併合するかたちでこのCLEを設定した。性能的にはスポーツカーのカテゴリーとなる「AMG GT」を擁しているという面はあれど、市場規模に鑑みれば伝統の4座クーペの灯を絶対に消さないと、メルセデスとしても意地の采配なのだろう。...