“ちょうどいい”は変わらない
「ちょうどいいホンダ」のキャッチフレーズが耳になじむ、ホンダのコンパクトミニバン「フリード」がフルモデルチェンジ。2024年6月の正式発売を前に、新型での進化と特徴、そしてこだわりのポイントを開発に携わったメンバーに聞いた。
キープコンセプトで全面刷新
約8年ぶりのフルモデルチェンジとなるホンダ・フリードだが、先々代も同じく約8年というロングライフをまっとうしており、今やホンダ屈指の定番長寿商品である。あの初代のキャッチフレーズ以来、「ちょうどいいホンダ」として根強く売れ続けることが、その大きな理由のひとつだろう。
実際、2023年度(2023年4月〜2024年3月)でも、フリードはモデル最末期ながら、登録車(=白ナンバー)の国内販売ランキングで10位の売り上げを記録した。しかも、これはホンダとしては軽自動車の「N-BOX」に次ぐ国内2位にあたる台数なのだ。フリードはこうした根強い売り上げに加えて、事実上の日本専用商品(実際には東南アジアの一部に少量輸出はされている)であることも、もうひとつの長寿の理由だろう。いかにヒット商品といっても、現在の日本市場の規模では、開発コストの回収に時間がかかる。
新型フリードの開発コンセプトは「“Smile”Just Right Mover〜こころによゆう 笑顔の毎日」だそうである。このなかの「Just Right」の直訳は「ちょうどいい」というおなじみのフレーズだから、大きくいえば初代から変わらぬキープコンセプト路線ともいえるだろう。
実際、コンパクトな3列ミニバンというパッケージレイアウト、1.5リッター直4の純エンジンと同ハイブリッドというパワートレイン構成は先代と同様だ(ただ、ハイブリッドは従来の『i-DCD』から最新の『e:HEV』に刷新)。さらにプラットフォームも従来改良型で、Aピラーの角度も変わっていないという。
新型フリードの開発責任者である安積 悟さんは「“ちょうどいい”というのは数字に表しにくく、ある意味でむずかしいんです。純粋に広くすればいいなら、サイズやスタイルを『ステップワゴン』に近づければ済む話ですし、逆にコンパクトさを第一とするなら、N-BOXみたいなスタイルにすればいいわけです」と説明しはじめた。...