ベスト・オブ・レンジローバー
5代目「レンジローバー」のプラグインハイブリッドモデル「SV P510e」に試乗。ジャガー・ランドローバーの高性能車やビスポーク車の開発・製造を担うスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)によるフィニッシュと、電動化でモダンに進化したその走りを確かめた。
“レザーフリー化”へまい進
2022年に上陸した5代目レンジローバーは、日本では4種類のパワートレイン構成で販売をスタートした。
具体的には、4.4リッターV8ターボの純エンジン車となる「P530」と3リッター直6ディーゼルのマイルドハイブリッド車(MHEV)である「D300」に加えて、3リッター直6ガソリンターボの変速機内にモーターを配したプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。PHEVにはシステムトータル440PSを発生する「P440e」と、同じ構成で510PSの「P510e」の2種類があるが、変速機に内蔵される105PSの電動モーターや総電力量38.2kWhのリチウムイオン電池などの電動部分は共通。エンジンチューンちがいで出力を変えている。
今回の試乗車は、そんなレンジローバーのPHEVでもより高性能なP510eで、なかでも最上級の特別仕立てとなる「SV」である。SVはセレブのショーファードリブンにも対応する豪華な後席空間も売りだが、P510eはスタンダードホイールベース(SWB)にしか用意されない。よりショーファー向きのロングホイールベースでPHEVが欲しいならP440eの選択肢しかないが、一般的な日本人の体格ならSWBでも広さに不足はないだろう。
SVの内装は本革とウッドとデジタル機器が融合した調度品が本来だが、試乗車では「プレミアムノンレザーアップグレード」と「ノンレザーステアリング」という無償オプションが選択されていたのが興味深い。最近はESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した経営が重視されており、欧州高級車ブランドが“レザーフリー化”へまい進するのもその一環だ。
まあ、現在流通している牛本革は大半が食肉加工の副産物といわれており、脱レザー=エコかどうかは賛否ある。しかし、ESGに対して明確な姿勢をとらないと、投資家から評価を得にくい時代なのだからしかたない。なんともややこしい世の中になったものだ。...