このストロークには覚えあり
小型車ばかりだったフィアットのモデルラインナップにMPVの「ドブロ」が仲間入り。先に日本に上陸しているプジョーやシトロエン版とはどこがどう異なるのかが気になるところだ。ロングボディーに3列シートを搭載した「マキシ」の仕上がりを試す。
オペル・コンボとの数奇な縁
日本初上陸となったフィアット・ドブロは、この新型で通算3代目となる小型商用バン兼レジャーワゴンだ。ご承知の向きも多いように、この3代目ドブロは旧プジョー・シトロエングループ(グループPSA)の「シトロエン・ベルランゴ」や「プジョー・リフター」とDNAを共有するきょうだい車である。
ドブロはもともと2000年に初代がデビュー。続く2010年に登場した2代目は、当時のゼネラルモーターズ(GM)とフィアットグループとの提携関係から、オペル(英国ではボクソール)にもOEM供給されて「コンボ」の名で販売された。しかし、フィアットはその後の2014年に、米クライスラーと合併してフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)となり、オペル/ボクソールは2017年にグループPSAへと売却されてしまう。
日本でもすっかり人気者となっているベルランゴ(とリフター)は、欧州では2018年春のジュネーブショーで初公開されたが、じつはこれらと基本設計を共有するオペルの新型コンボも同じジュネーブショーで登場している。というわけで、ドブロ/コンボの協業プロジェクトは1世代かぎりで終わった。
そんななか、2019年末にFCAとグループPSAは対等合併を電撃発表して、世界第4位の規模をもつステランティスが正式に発足する。すると、協業相手を失って、モデルチェンジしないまま生きながらえていたドブロを取り巻く環境も、大きく動くことになる。
というわけで、ドブロはベルランゴ、リフター、そしてコンボに続く、ステランティスの小型商用バン/レジャーワゴンファミリーの第4弾として、2022年6月に欧州で新型モデルが登場。そして、2023年5月には日本でも発売となり、「500」や「500X」からの乗り換え需要の受け皿として、また最近まで同セグメント市場を独占してきた「ルノー・カングー」包囲網の一角としても役割を果たすこととなった。...