これぞドイツ車の味わい
現行型で3ナンバーになったものの、「フォルクスワーゲン・ポロ」はサイズや居住性などのバランスが日本のユーザーにぴったりの一台だ。先代の生産終了から5年、買い替え需要がピークを迎えるであろうタイミングで上陸したマイナーチェンジモデルの仕上がりをリポートする。
絶妙なサイズ感
地形や道路の整理もままならぬ勢いで戸建てや集合住宅が建ちまくった戦後の発展期。その残滓(ざんし)のような、お疲れ気味の街に住んでいると、クルマの大きさを嫌なほうに実感することが多い。
つい先日は、地元民でも難儀する近所の裏道に紛れ込んだ「ジャパンタクシー」が電柱にバンパーをがっつり擦ってしまうところを目撃した。こちらが誘導するまでもなく、そそくさと現場を後にしたが、後に営業所でしかられたのだろうと思うと気の毒になる。
そんな環境のなかで出くわすことが多いのが5代目、つまり先代のポロだ。寸法的には「マツダ2」よりも小さいそのサイズなら、昭和の古いマンションのパレットにもトレッドを気にすることなくすんなり収まり、狭小な民家でもなんとか止められ……と、そういう事情が垣間見える。「ワゴンR」なんかにすればおおむね丸く収まるわけだが、軽自動車のシェアがぶっちぎりで低い東京にいると、そうはしたくない事情もあるのだろう。
でも確かに5代目のポロは、そのコンパクトな体にドイツ車的な剛健さがギュッと凝縮された、稀有(けう)なキャラクターのクルマでもあった。取り回しの便利さとの引き換えで室内が狭すぎる感もあったが、とはいえ子供の小さい家族ならなんとか実用に足るくらいの空間は確保されている。機能を多くは求めないけど性能には口うるさい、そんなダウンサイジング志向のユーザーにとっても、5代目のポロは絶妙な居所だったのだと思う。...