電気仕掛けのスポーツカー
ポルシェ初の100%電気自動車「タイカン」に、後輪駆動のエントリーモデルが登場。「4S」や「ターボ」といったバッジの付かない“素”のタイカンは、いかにもポルシェらしい、飾り気のない上質なスポーツカーに仕上がっていた。
キモは後輪駆動にあり
ポルシェ初のEVとなるタイカンは、さまざまな想像をかき立てるクルマだ。まずは誰もが、「ポルシェがつくった初めてのEV」であることに興味をそそられることだろう。5ドアハッチということは、「パナメーラ」のようなグランツーリスモ? 他のEVとはやっぱり違うの? ずばり速いんですか? ナドナド。
きっとそんな風に、「911」マニアからアーリーアダプターまでが注目しているだろうタイカンだが、今回試乗したのはシリーズのなかにあって最もベーシックなモデルだった。その名もずばり「ポルシェ・タイカン」。この“素タイカン”に今回試乗できたことで、筆者はポルシェの本質を久々に肌で感じることができた。このモデルは、EVである前にシンプルで良質なポルシェである。
ベーシックなタイカンにおける最大の特徴をひとつ挙げるとしたら、それは後輪駆動モデルだということだ。ご存じの通り、タイカンにはすでに「4S」「ターボ」「ターボS」という4WDモデルが存在している。一方、「パフォーマンスバッテリー」と呼ばれる専用バッテリーは容量79.2kWhのシングルデッキが標準となるのだが、試乗車はオプションで用意される2デッキ方式の「パフォーマンスバッテリープラス」(93.4kWh)にアップグレードされていた。
最高出力は、ローンチコントロールとオーバーブーストモードを使うことが前提だが、パフォーマンスバッテリー仕様で408PS(300kW)を発生。これがパフォーマンスバッテリープラス仕様になると、476PS(350kW)へと68PSパワーアップされる。
ちなみに通常走行時のフルパワーは、前者が326PS(240kW)で後者が380PS(280kW)と、その差は54PSに縮まる。さらに面白いのが0-100km/h加速(5.4秒)と最高速度(230km/h)では、その数値が同じなことだ。つまり100〜230km/h領域での動力性能を除くと、バッテリーの差は主に航続距離ということになる。もうひとつちなみに、その航続距離は前者が354〜431km、後者が407〜484kmとなっている(WLTPモード)。...