今ここにある最良のホットハッチ
ルノー自慢のホットハッチ「メガーヌ ルノースポール(R.S.)」がマイナーチェンジ。トップモデル「R.S.トロフィー」譲りの高性能パワーユニットと「シャシースポール」と呼ばれる足まわりが織りなす新たな走りを、ワインディングロードで味わった。
日本のあなたが支えている
日本はルノーのお得意さまである。無論、販売台数というわけではない。2020年のルノーの販売台数はコロナ禍の影響でやはり減少してざっと6000台といったところで、上位を占めるドイツ勢に比べると桁が違うが、本国が一目置くのは全体的な数の割には熱いこだわりエンスーが多いことが理由だ。趣味性の強いニッチなモデルが売れるマーケットなのである。
何しろ、いわば貨客車の「カングー」が毎年1000台以上も一堂に会するミーティングが開催されている国などほかにはないし、メガーヌの標準モデルを差し置いてホットモデルであるR.S.のほうに人気が集中、しかも、なかでも一番硬派なR.S.トロフィーを選ぶ人が大半だというマーケットも珍しいのである。
日常使用も考えるならば、トロフィーほど硬くない足まわり(シャシースポール)を持つスタンダード(といっても十分にホットだが)のR.S.が常識的な選択だが、R.S.は足まわり以外にもトロフィーに比べてエンジンのチューンレベルが低いという違いがあった。
せっかくなら一番高性能なモデルを、という気持ちも分からないではないが、そんな硬派な日本のファンのためにルノー・スポールがまたもメガーヌR.S.をバージョンアップしてくれた。日本のため、というのは大げさに聞こえるかもしれないが、実際に今やこの種の高性能スポーツハッチは欧州ではますます厳しい立場に追いやられている。
皆さんご存じの通り、EU圏内では企業別平均CO2排出量規制(既定値を超えたぶんだけメーカーがペナルティーを支払う)が存在するが、それに加えて購入者も高額な排出税を支払わなければならないという。国によって差はあるもののR.S.の場合、欧州ではざっと100万円というから(もちろん付加価値税などは別立て)、若者には、いやオジサンだっておいそれとホットハッチには手を出せない。今や日本がメガーヌR.S.の一番のお得意さまなのである。...