お値段以上の気持ちよさ
キャデラックの新型ミッドサイズセダン「CT5」が日本上陸。早速そのステアリングを握った筆者は、ドイツ御三家の高級サルーンにも引けを取らない、洗練された走りに驚かされたのだった。
見た目だけのクルマじゃない
2021年より日本への導入が始まったキャデラックCT5の全長は4925mm。メルセデス・ベンツの「Eクラス」や「アウディA6」とガチンコ勝負になるサイズだ。けれども、「アウディにしようか、それともキャデラックにしようか」と悩む人は少ないだろうと推測する。
なぜならコンセプトカーの「エスカーラ」をほぼほぼ、まんまそのまま再現したルックスは、LEDライトを組み合わせた先鋭的なフロントマスクといい、ファストバックスタイルを採るリアビューといい、個性的で好き嫌いが分かれると想像するからだ。
ほかのクルマと比べて選ぶというより、「この未来的なカッコにグッときた!」と飛びつくのがキャデラックCT5だろう。と、思いながら乗り込むと、よい意味で裏切られる。滑らかな乗り心地とパワートレイン、ヤル気になった時のアジリティーの高さなどは、まさにEクラスやA6、あるいはBMWの「5シリーズ」あたりと真っ向勝負する出来のよさなのだ。とがったモード服をまとった青年に話しかけたら、知的で温和な好青年だった、というような意外性がある。
意外に感じたドライブフィールについて記す前に、キャデラックCT5の概要を説明すると、同ブランドの「CTS」の後継モデルとして2019年春のニューヨークモーターショーで発表された。日本仕様のパワートレインは2リッターの直列4気筒ターボエンジンと10段ATの組み合わせで、「プラチナム」と「スポーツ」の2グレード構成となる。クロームのフロントグリルが豪奢(ごうしゃ)な印象を与える前者が後輪駆動、黒いメッシュグリルが精悍(せいかん)な後者が四輪駆動で、今回試乗したのはキャデラックCT5スポーツだ。...