明日のために
近年、さまざまなタイプのEVを矢継ぎ早に送り出しているアウディ。なかでも身近な車型の「e-tron 50クワトロ」に試乗した筆者は、その走りのよさに感心しつつも、どうしても看過できない点があるという。
ベースはエンジン搭載モデル
アウディe-tron 50クワトロは、SUVタイプのBEVである。内燃機関を持たず、総電力量71kWhのリチウムイオンバッテリーからの電力のみで走る。カタログ上の航続距離は316kmとされる(WLTCモード)。
もしアナタがe-tronのオーナーになったなら、友人に愛車を見せびらかす時に、フロントのボンネットを「ボン!」と開けてあげるといい。中央に大きなフタ付きの樹脂製バケツ(!?)が収まり、中にはゴロンと充電用のケーブルが置いてあるだけ。「エンジンの時代は終わったんだなァ」と実感させる風景である。
ちょっと意地悪な見方をすると、最新のEVにしてはスペースの使い方に無駄がある。それは、e-tronが内燃機関モデルとプラットフォームを共用しているからだ。具体的には、同社の中核たる「A4」が用いる「MLB evo」をベースにしている。とはいえ、e-tronのサイズは、同じくMLB evoを使うSUV「Q5」のフットプリントを上回る、全長×全幅×全高=4900×1935×1630mmという立派なもの。ホイールベースは、オリジナルのMLB evoより100mm以上長い2930mmである。
間もなくデビューするひとまわり小さい「Q4 e-tron」がアウディ製EV-SUVのいわば本丸で、こちらにはBEV専用の「MEBプラットフォーム」が与えられる。MLB系シャシーは、その後も内燃機関と共存するモデル、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車で引き続き活用される予定だ。...