のんびりと 気持ちよく
往年のスポーツバイクブランド「メグロ」の名を冠するニューモデルがカワサキから登場。単なる懐古趣味の一台と侮るなかれ、その質感の高さと味わい深いライドフィールは、百戦錬磨のベテランをも満足させてくれるものだった。
あっぱれなネオクラシック
目黒製作所は戦前に誕生した日本の二輪メーカーで、大排気量を中心に高品位なマシン、メグロをつくっていた。1960年代、川崎航空機工業に吸収され、メグロの技術が、その後のカワサキのバイクづくりに生かされることになる。今回紹介する「メグロK3」はその伝統と歴史を引き継いだマシンなのである。
僕、テスターの後藤は“旧車好き”である。だから古いマシンをイメージしたマシンを見ると、どうしても辛口な評価をしがちなのだが、初めて見たメグロK3はとても好印象。上品で質感も高いし、クラシックバイクらしい雰囲気がうまく表現されている。
またがってみればワイドなハンドルバーでゆったりとしたポジション。走りだしてみると街なかを流すのがとても気持ちいい。3000rpmくらいまでで十分交通の流れに乗ることができるし、このくらいの回転数だと歯切れのよい排気音も聞こえてくる。
下のほうで滑らかに、そして力強く回る秘密は、フライホイールマスが大きいこと。試しにトップギアホールドのまま速度を落としてみると1000rpmを切ったあたりからでもスムーズに加速していくことができる。低回転でもギクシャクした感じは皆無だ。
3000rpmを超えると振動が出てきて、3500rpmでハンドル、4000rpmでシートに大きめの振動が伝わる。4500rpmを超えると振幅が少なくなるので、4000rpm付近に共振点があるのだろう。だから自然に3000rpmくらいまでを使って、ノンビリと走ることになるのだが、このエンジンが面白いのは低速域だけではない。回していくと5000rpmあたりから、がぜん元気になる。これもまたこの800ccバーチカルツインの大きな魅力だ。...